息子の自己肯定感は、幼い頃からずっと低いまま。
なんとか息子の自己肯定感を高めたい。成功体験や自信をつけるきっかけを探して、2020年末より親子でキッズアナウンスレッスンを受講し始めることにしました。きっと息子には合っているのではないかと思います。
レッスンの様子を1分程度の動画にまとめました。子育て経験豊富な明るい先生のご指導で、レッスンの後半には息子に笑顔が見られました。
息子の自己肯定感は低い。不思議なほど低い。
私は息子が幼い頃からずっと不思議でした。どうしてこの子の自己肯定感はこんなに低いのだろう、って。
息子は人と積極的に関わることが苦手だったり、これまでにも何度か劣等感に支配されて自信を失くしてしまい「学校にいきたくない」と言って1~2週間ほど学校をお休みしたこともありました(この時のことはまたいずれ書こうと思います)。「どうせ無理」も言い慣れたもんで、ことあるごとに頻繁に言ってのけます。
10歳になる息子に発達障害の傾向があることがわかり、私は発達障害を抱える子供たちは自己肯定感がしっかりと育たないケースが少なくないことを知りました。
それで私は彼の自己肯定感の低さに対して「あぁ、なるほど、そうだったのか」と妙に合点がいくと同時に、私のこれまでの対応で良くなかった部分を思い返して大いに反省。そして、これから彼の自己肯定感を育てるために私はどんなことができるのだろうかと考えていました。
発達障害と自己肯定感
自己肯定感とは自尊感情、すなわち自分を肯定的にとらえ自分自身を大切に思う感情として記述されます。
子供が健やかに育つためには最も重要とも言える自己肯定感ですが、発達障害を抱える子供たちは自己肯定感がしっかりと育たないケースが非常に多いことが多くの書籍で書かれています。
この背景には発達障害の特性により生じる失敗・トラブルの経験が関与しています。例えば入園や就学集団生活において皆んなはできるのに自分は上手くできないという失敗経験が積み重なったり、自分のこだわりややり方を最優先してしまい周囲から浮いてしまったり。ある時には微妙な場の空気を読めなくて臨機応変な対人関係に苦手意識を持ってしまったり。
このような子は親や教師の無理解・叱責・非難を受ける機会が多くなりがちです。不運な場合はいじめの対象となることもあり、こうして自己肯定感が育たなくなってしまいます。
あぁ、うちの息子はまさにこのパターンです…。思い当たることが多すぎる…😭
さらに、こうした自己肯定感の低さは「自信がないから挑戦しない」→「挑戦しないからできるようにならない」→「できないからさらに自信を失くす」という負の連鎖を生みやすくなり、自分自身への劣等感を募らせ、体の不調を訴える、引きこもりになる、反抗的な態度が増えるなどの発達障害の合併症(二次障害)が出てくることもあるそうです。
発達障害の合併症(二次的に合併した障害)
二次障害には不安障害、うつがあります。こうした精神症状が続くと、内向化が進み、引きこもりや不登校となり、社会から孤立してしまうケースもあります。一方、大人や社会に対する反抗心を高めていく反抗挑戦性障害(反抗挑戦性症)や行為障害(素行症)もあげられます。こうした道をたどっていくと、やがて、薬物濫用や社会不適応に進展してしまうこともあります。
支援のしかたで子どもが変わる 発達障害の子どもたちをサポートする本 榊原洋一著より
ただし、二次障害については予防することが可能です。ここはなんとしても予防したい!
自己肯定感の重要性
発達障害の特性があると、どうしても問題に直面したり生きづらさを感じる場面は多くなります。
このような二次障害を予防するためには、周りの大人が発達障害に気づくこと、そして特性にあった適切な支援を行うことが必要です。日頃から安心して過ごせるようになることで、子供はストレスが軽減され自尊感情を傷つけることもなくなります。そうなれば、発達障害の特性からくる困難を抱えながらも、目標を見つけてチャレンジし、自己肯定感を育んで「自分はきっとうまくやっていける」と前向きに人生を切り拓いていくことが可能になるのだと思います。
下記は私が読んだ本の一つにあった、とても印象深い一節。
自閉症スペクトラムの人がうまく成長すると、「○○博士」「職人気質」「個性的だけど、なぜか憎めない」などと言われるようなキャラクターに育ちます。「自閉」という言葉はネクラな感じがしますが、自閉症スペクトラムの人は、うまく育っているとだいたい明るい性格です。
人の気持ちを読むのが苦手、空気を読むのが苦手ということに対してすら、「自分は空気を読むことが苦手だけれど、そんなことは大したことではないと思っている」という人がいます。空気なんか読めなくても、人生やっていけるという自信があるのです。これは大事なことだと思います。
自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体 本田秀夫著
息子にも、うまく育って欲しい。
そういえば息子の発達障害がわかるずっと前、小学校入学時から私が息子の担任になった先生にいつも面談で訴えていたことがありました。毎年変わる担任の先生に少しでも息子を理解してもらおうといつも渡している「息子の生育歴・サポートブック」にも常に記載してあります。
この子は親の私から見ても、小さな頃から少し変わっています。先生もそうお感じになることが起こるかもしれません。理解不能な行動をとったり、クラスの和を乱すこともあるかもしれません。
でも先生、どうか10年後20年後の姿を想像して見守ってください。息子には苦手なこともあるけれど、頭も良く、人に感謝する気持ちや思いやりの気持ちも強い子です。将来、尊敬できる恩師や刺激しあえる友人に出会えればきっと偉大な成果を出しうる能力は十分備わっていると感じています。今は成長の途中であり、大人が長い目で「こいつはきっと大成する」という気持ちで根気よく引っ張ってやる時期であると私どもは考えています。
息子の生育歴・サポートブックより by 私
息子にもどうか自己肯定感を育んで欲しい。そう心から願っています。
キッズアナウンスレッスンで自己肯定感アップに挑戦!
今回のキッズアナウンスレッスンの受講は、お友達に誘ってもらって参加したセミナーにおいて現役のアナウンサーでありSmilevoiceラボ(https://smilevoice-lab.com/)の代表を務められているこずえさんと知り合い、そこで息子の話をしたことがきっかけでした。
息子は読書が好きで、幼い頃から大人並みの語彙があり非常に多くの言葉を知っています。また、時事問題にも強い興味を示し、物事に対する意見もかなりしっかり持っているのですが、どうも頭と口の動きがうまく連動しないようで発表の場ではうまくまとまって話せないみたいです。
学校や塾の先生からは「授業の流れを変えるキーワードをよく言ってくれるので頼りになります。良いことを言うのだからもっと堂々と話して欲しいですね。」と言われることもよくありました。
言葉に関することは息子の伸ばすべき能力の一つではないか?という考えから、早速受講してみたいとお願いした次第です。
レッスンを受けて
レッスンは全3回で、先日2回目のレッスンを終えました。
最初は声が出る仕組みを教わったり、体を動かしながら腹式呼吸の方法、「伝える」話し方とはどのようなものかを教わりました。息子の感想は「めっちゃ楽しかった!」とのこと。
2回目のレッスンでは姿勢、滑舌を良くするための舌のトレーニング、発生・滑舌練習には「外郎売(ういろううり)」に挑戦しました。慣れない発声練習に、今回の息子は「疲れた〜」とへたりこんでしまいました。
今はまだ経験の一つとしてのレッスンですが、いつか息子が自信を持って自分の意見を伝えられた日がきたら、それはどれだけ彼が自分の強みを自覚するきっかけになるだろうか、自分の自信になるだろうかと想像して(私だけが大いに)ワクワクしています。
そんな日が来るのか来ないのかは誰にもわかりません。とにかく今は、息子と一緒に、楽しんでレッスンを受けていきたいと思います。
また、これはいずれ書こうと考えておりますが、私は息子の発達障害がわかってから、自分にも息子と同じ傾向の発達障害があることを自覚しています。
私もまた自己肯定感が低くて自分に全く自信のない子供だったし、空気を読めないし、人前では何も言えなくなってしまうし、教師には「何を考えているかわからない」と通知表に書かれたりもしました(今考えたらひどい話!)。
しかし、大人になった私は基本的に物怖じしないし割と明るい方だと思うし、大勢の人に向かって話すことは緊張するけど楽しめるし、学生時代は化学や生命科学に没頭して博士号を取得しているし「自分は空気を読むことが苦手だけれど、そんなことは大したことではないさ」と心の底から思っています。先ほど引用した上手く育った明るい自閉症ってそれ私のことやんけ、と。
私の自己肯定感が育ったきっかけを振り返れば、一つは間違いなく中学生の時の作文の発表でした。クラスの代表になってしまって、すごく練習して、その結果すごく上手に喋れたことに自分でも驚くほど感動したことを覚えています。
息子にもいつかそんなきっかけが訪れるのではないかな、そうだったらいいなぁ〜、とひっそりと願ってキッズアナウンスレッスンを受けているというのが、ホントの動機です。
【お勧めしたいです】いろいろな本を読みましたが、本田秀夫氏の著書はどれもわかりやすく書かれていて前向きな表現が多く(←重要!)お気に入りです。
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