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“特異な才能のある児童生徒”に対する研修動画の公開

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成人ギフテッド母の成長記録

みなさんこんにちは✨

今年度ももうあと1ヶ月ほどで終わりだなんてびっくりですね。

今年度は、所謂ギフテッド児と呼ばれる子供達への学校現場における支援の動きがゆっくりと、しかし明確に動き始めた、そんな年度でもあったのかもしれないなぁと思っています。

思い返せば、文部科学省がギフテッド教育の在り方について検討を開始したとして、当事者や保護者、教職員に事例を集めるためのアンケートを行ったのが約2年前、2021年の夏頃でした。それについては当サイトでも触れるとともに、私もまたささやかながら息子の事例や私自身のエピソードを寄せたことを書きました(↓)。

そのアンケートの結果が取りまとめられて、文部科学省の主導で開始されたギフテッド児の教育支援の議論について一応の着地点が見えてきたのが2022年の夏でした。

私は、この審議のまとめ(素案)において“ギフテッド”=“学校と馴染めず困難を抱えている”という図式が非常に明確に示されていたことに驚きさえも感じました。もちろんギフテッドのお子さん全員が学校に馴染めないわけではないでしょう。しかし、それこそが解決を要するこの議論の焦点であることがよく伝わったと感じました(↓)。

それから半年。先週の2月21日(火)には、これらの審議のまとめに基づいた“教職員向けの研修動画”が公開される運びとなりました。

教職員向けということですが、一般にも視聴可能なようですね。既にご覧になられた方も多いだろうとは思いますが、ご関心のある方にはご視聴をお勧めしたいと思います(↓:IとIIの二部があります)。

私もすぐに視聴しました。なるほどなるほどと思いながら、今後の方向性について学びと理解が深まったと感じています。

ずっと私が引っかかっていた“特異な才能のある児童生徒”という呼称についても、わかりやすい説明が聞けてよかったです。

まず、有識者会議においても今後の教育現場においても我が国では、“ギフテッド”という言葉は使用しない、なぜならその言葉は曖昧で受け手が共通のイメージを持たないからだと説明されてありました。これを聞いて、ハッとしました。そのすれ違いは私も時々実感として感じます。

恐れながら書きますが、私は比較的最近になり息子の祖父母に対し『息子は実はずっと小学校にも行けていない、どうやらギフテッドと言われる子供らしいのだ、発達障害をずっと疑っていたけれどその診断はまだついていない』と、ようやく伝えることができたのですが、その時の祖父母の反応はなぜかとても前向きで、『孫がギフテッドなんて、将来が楽しみねー✨』とむしろ微笑ましい様子でさえいたことに私はとても複雑な思いを感じました。っていうか、辛かった。何が楽しみだ、本人の苦悩や違和感、不適応、自己肯定感も不思議なほどに低い息子、学校にも行けていないのに将来も何もあったものかと、そんな憤りさえも感じたものです。

私

ギフテッドは障害ですよ。どうか息子の力になってやってください。

『そうなの!?』と驚く祖母の顔に、“ギフテッド”という言葉についてはやはり抱えるイメージに差異があって取り扱いがとても難しいのだと感じました。(補足:とても孫思いの祖父母なので、息子にも上手に寄り添ってくださっているとは感じています。)

また、こちらの研修動画では、日本では学校の教育現場で“特異な才能のある児童生徒”選別をしないことも説明されてありました。目的は誰が才能児かを見出すことではない、必要なことは目の前の子供に適切な支援を届けることであるというスタンスには公教育の在り方として十分理解ができるものだと思いました。

公教育では、選別した子に特別な指導の場所・時間を提供することは目指さない。あくまで通常学級の中において互いの特性を尊重し合い補い合う環境づくり、特性による困難があれば支援に繋げるなどの対処もする。そうして特性が原因の不登校や浮きこぼれに陥りがちなお子さんにも学校へ行きたくなる教室づくりを目指していく。

どうやらそのような運びとなるということでした。

良く分かったが。

非常によくわかりました。理想論だと思いました。しかしその実現には、現場の教師の力量はますます問われることになるでしょう。

学校の教室では、子供たちの生まれ持った気質や特性は個々に当然に多様です。健康な子や病弱な子、裕福な家庭の子、一方で環境に恵まれない子(頑張りたくても頑張れない子、という子ですね)もいるでしょう。言って終えば、私たちはそれぞれみんなが『なんらかの訳アリ』です。

そんな子がみんな共に行きたがるような教室環境づくりって、現場の教師だけでできるのか?

ちょっと心配。先生方には心理士さん並みのアセスメント能力が問われるのではなかろうか。それはかなり高度な能力で、専門知識がなければとても太刀打ちできない課題なのではないだろうかと他人事ながら心配です😨

しかしまずは、そんな先生方にも知る機会の第一歩として、先週から公開された特異な才能のある児童生徒に対する指導・支援:校内研修シリーズが作製されただと思います。先生方はもうみんな見たのかな。

この潮流が、どうか波に乗ってほしいと願っています。

海外では、所謂ギフテッド、日本でいうところの特異な才能児を選別して教育するのは『彼ら/彼女らがどうか彼ら/彼女ららしく伸びやかに育ったならば、その中には国家に世界にイノベーションを起こす人間が必ず存在することを国家が実感として知っているからだ』と、そう話をされる方もおりました。つまり海外のギフテッド教育プログラムは、算盤勘定に大きく基づくという見方です。

もちろんそんな人間を1人でも排出すれば国家は長く豊かに大きく成長し、その競争領域のリーダーシップも握るのです。国家がそんな経済効果の損得勘定で、安い投資だと進めているのが海外のギフテッド教育なのだと捉えることが可能です。(←素人考えですみませんが、しかしそれは説得力のある、おそらく部分的には事実なのだろうなとも想像できます。)

だけど日本はそういう方向性ではないようですね。

特別なことは目指さない、少なくとも彼ら/彼女らを学校で潰さない、普通の学生生活を送れるように取り計らう、そんな方へと舵が切られて行きそうです。

良いんじゃないかな、まずは十分だろうと思います、上手く回れば。先日のHNKの報道(↓)でも、ギフテッドと呼ばれる彼らにおけるキーワードは“孤独”でした。それが少しでも埋められる、そんな方策となることを願います。

我が家は今、ちょうど愛息子が中学校へ進学するタイミングです。だからこの研修動画の公開を含む一連の動きはとてもタイムリーな話です。

私は彼の新しい学校生活が、この施策によって背中を押されながら周囲の理解を得られるように、そうして意欲的に過ごせる充実した学生生活となるように、精一杯それを願っていきたいと思います。

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