みなさんこんにちは✨
今日は娘の場面緘黙について、久しぶりにその近況を記録しようと思います。
私の娘は、かつて私が子供であった頃と同じように、“場面緘黙症”という困難を持つ子供です。遺伝ですね、受け継いでしまった😭娘のことは、何よりも私自身もその当事者だったので、彼女にも私と同じ症状があることに私は早くに気がつきました。
私は、自分がしてきた経験や辛い思いを、なんとしても絶対に娘にはさせたくないと願いました。
だから私は、当時の私が得られなかったあらゆる理解と支援を彼女の育ちに与えよう。
私はずっとそう決意をしており、私たちは娘が自らその困難に向き合えるまで彼女自身の成長を待ちました。そうして、彼女が5歳になろうとする頃にその対応を開始するため児童精神科の門戸を叩いたことが、今から1年と少し前の昨春のことでした。
本当に幸運なことに、私たちは多くの支援者に恵まれたのだと思います。娘のための主治医を軸とした支援チームが組み上がりました。私も自身の経験を振り返りながら、最新の知見を一から多くを学びました。
ずっと通園している保育園の先生方には本当に丁寧なご配慮をいただいて、療育のためのプレイセラピーの先生とも母子共に信頼関係を構築することができました。地域の発達支援センターでは就学に向けた校区の小学校との連携相談を進めていき、さらに地盤を固めた娘は集団の場での振る舞い方を学ぶためにと一般の幼児教室に通うことに挑戦するようになりました。その幼児教室でも、娘は非常に大人しいながらも周囲のお子さんたちはしっかりしたご家庭のいい子ばかりで、骨折の時にも助けてもらい、お友達もでき始め、今夏にはなんと幼児教室のイベントで子供達だけでの2泊3日の夏合宿にも参加することができました😳
このたった1年で、本当に娘はぐっと強くなりました。大きな成長が見られていると思います。
娘ちゃんは本当に強くなりました。ここに来る時間を、もっと他のことに使ってみてはどうですか?
場面緘黙は長い時間を要することが多いのですが、約1年間という短い時間でここまで大きく変わってきたのは僕としても驚きです。
そうなのです。本人が乗り越えようとする意識を持つことと、そこへ外からの適した“支援ときっかけ”を与えることには大きな意義があるのだろうと感じています。
そしてそれは、母親である私自身に同じ困難があり自分で考えて乗り越えてきたという実体験があるからこそ、
- 場面緘黙の克服に効果的かもしれないという配慮や支援や時期やステップに明確なイメージを持てたこと
- “あの時の自分がして欲しかった支援”という視点から、娘へのステップを主体的に選択できたこと
も良かったのかもしれません。そうして娘は強くなり、この初夏には療育も児童精神科も(いったんは)卒業することにもなりました。もちろん今後の環境変化等で不安があればいつでも来て良いですよという受け入れ態勢は残したままで、彼女自身のさらなる成長の力を安心して見守ってみようという状況になってきたのだと捉えています👍
本当に、私たちは娘の大きな進歩、成長を目の当たりにしています。そのことは、当の娘本人も自覚しているようだと思われます。成長が自信を呼び、その自信がさらなる自信を作っていく。私たちは良いサイクルに入り始めたかもしれません。
つい先月のことですが、こんなことがありました。
娘が通う保育園では、月に1度のお誕生日会が開かれます。それは保育園でのその月生まれのお子さんを一堂にみんなでお祝いするもので、そして今年度はコロナ明けということもあり、お祝いされる子供の保護者も『見学しても良いですよ』というアナウンスがありました。
保育園の広いプレイルームの片側にはステージとなるスペースが設置され、お誕生日を迎えた園児さんたちの人数分の椅子とマイクが置かれていました。
お誕生日を迎えたお子さんたちのお名前が呼ばれ、娘を含めた何人もが前に出て、ステージの椅子にお行儀よく座りました。
娘はニコニコしています。
それだけでもう、私はとても驚きました。だってみんなの前に出ているのに娘の表情が柔らかいままあり(←固まっていないという意味です)心から楽しそうに微笑んでいるように見えるのです。
お歌が始まり、娘も大きな口を開けて楽しそうに歌いました。ほえー!さらにびっくり!お歌の後は皆と一緒に娘もパチパチと大きな拍手をしておりました!
続いて、お誕生日を迎えたお子さんに対し、年少の子から順番に“インタビュー”が始まりました。先生が向けてくださるマイクに向けて、一人一人好きな食べ物や将来の夢を自由にお話しするようです。
おっと、これは娘にはまだハードルがやや高いかも?
だけど幼児教室では宿題で準備をしていく“発表”なども出来るようになっているし(←娘が言うにはそこは“安心”な場らしいです)、私は何があっても成り行きをそっと見守ろうと思いました。
娘の番になりました。
好きな食べ物はなんですか?
・・・。
途端にスッ—と、娘の表情が薄まったことを私にはよくわかりました。無言の時間が流れました。
保育園の先生は、よく事情をご理解してくださっているので安心です。お友達も、保護者の方もそっと見守ってくれています。
表面上の動きはないが、娘は内側ではとても頑張っていることがわかります。
そりゃそうだ、頑張ってるよ、いくら『強くなった』とは言われても、あなたはまだ困難を乗り越えようとし始めたばかりの6歳児。いきなりなんでもは出来ないよ。
一歩ずつだよ、よくやった。私が後ろでそうして『うんうん』と頷いていると、ふと娘が表情を取り戻し、クルッと保育士さんの方を向き直ったかと思えば、保育士さんの耳元で何かを囁いているようでした。
(小さな声で何か言っている)
はい、『桃』だそうでーす!
よく教えてくれましたー。それでは、将来になりたいものはなんですか?
(小さな声で何か言っている)
今度はもっとスムーズに、保育士さんの耳元へすぐにお伝えできました。
『海賊🏴☠️』だそうでーす!
よく発表できました!お誕生日、おめでとう!👏
大きな拍手をいただきました。
私は感心しておりました。やっぱり娘は強くなった。これまでは、運動会のヨーイドンでも走れなかったり、昨年のお誕生日会では固まってしまって、先生が普段の娘の様子を鑑みて代わりにお返事をしてくださっていたのだと聞いていました。
帰り際、保育士さんが私に声をかけてくださいました。
お母さん、今日はすごかったですね!娘ちゃんがあの場で僕に自分から言いたいことを伝えてくれたことには、本当に成長を感じましたよ!
本当にです😭みんなの前で特別な場で、緊張したと思います。だけどその中でも娘が自分でできることの最大限を自分で考えて実行した勇気に、私は感動さえ感じました。
これも先生方の温かいご配慮とご指導のおかげです。いつもありがとうございます。
いえいえ、何もしていませんよ(←そんなわけないけどありがたい🤣)。娘ちゃんの成長ですね。
娘も笑顔で過ごしていました。私は嬉しいということに加え、『ありがたい気持ち』になりました。
もちろんね。
娘は『強くなった』とは言われても、決してまだまだ同年齢の他のお子さんのようにはいきません。発表も出来たり出来なかったり、表情の表し方も制御は効かず、不測の事態では体も固まってしまうよう(←先日はエレベーターで娘だけが降りそびれてしまうというトラブルがあり、泣くでもなくただ固まってパニックになっていました)。何より彼女は場面緘黙のお子さんが一番最後に乗り越えるケースが多いと言う“ご挨拶”もまだ、口頭では一度もできておりません(←タッチやお辞儀ペコリは習得しました👍)。
だけどそこはもう一歩。
きっと今の自信の先に、さらなる成長があるのだろうと私は確信しています。きっと娘もそうだと思う、彼女もきっと気づいている。
だから私は、彼女に芽生えつつある自信の芽をできる限り大切に育てたい。これからも、彼女が彼女らしく葉を広げ高く高く茎を伸ばしていくことを地盤を支えて見守りながら、必要があればその支柱にもなることを見逃さず、そんなふうに彼女を健やかに育てていけることに大きな喜びを感じています。
ーー書籍紹介ーー
↑ちょっと出版年度は古いのですが、学校や保護者の具体例が多くて参考になります。
↑私が一番気に入っている本です。場面緘黙とは何かを知るには最良かも。
↑支援者向けですが、幅広く臨床像を学べます。
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