みなさんこんにちは✨
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一斉休校をきっかけに精神的に不安定になった息子は友達とオンラインで繋がってゲームをするようになり、勉強も手につき始めて家の外に出ることもできるようにもなりました。
ゴールデンウィーク前には都内の低山を徒歩で回るプチ登山に出かけ、息子には久しぶりに自然な笑顔が見られました。
学校が始まればきっとまたすぐ元気になるに違いない。それまでの辛抱だ。私はそう思い込み、息子の状態はこれから良くなる一方に違いないという期待を持ち始めました。
しかし4月に受けた塾のテストの結果が返送されてきて、あまりの結果に親は大きく動揺…。
得点自体よりも、回答用紙に見える息子の心理状態を思うと胸が苦しくなり、少しの期待がぴしゃりと閉ざされたような気持ちになりました。
塾のテストを受けはしたが…
生かすことが最優先
一斉休校の開始からみるみる不安定になった息子。
私はあの時の一斉休校が、今なお憎い。
2020年3月2日から開始した一斉休校。私の息子はその3月の後半には完全に生活自体がままならず、食べない、寝ない、ふとした刺激でパニックを起こして取り乱すようになりました。
この頃の我が家は、とにかく息子を生かすことが最優先。
この頃の私は、息子から目を離すと何か取り返しがつかなくなることが起こるのではないかという不安でいっぱいでした。私はずっと緊張状態。いつも何かにハラハラして過ごしていたように思います。
息子は生活もままならないので、とても学習どころではない状況でした。
私は私の判断で、一旦は休校中の小学校の宿題も、塾のテキストも全てやらなくてよいとストップを出していました。
焦点が定まらない目でぼーっとしていてもいい。何も出来なくてもいい。下の娘を膝に乗せて在宅勤務をする私の隣に置いた椅子に座り、時間になれば食事を取る。夜はできるだけ眠る。それだけでいいと思いました。
友達とオンラインで繋がったことをきっかけに、息子は少しずつ何かに取り組める意欲を取り戻していきました。
やっぱり社会との繋がりが息子を生かすんだ。
学校が再開されたら、息子の生活にはきっとまたメリハリがつくに違いない。
ニュースでも、長引く休校に精神的な不調を訴える子供が増えていると見聞きしていました。みんな耐えている。だからうちも耐える。なんとか学校が始まるまで息子を生かす。そう耐える気持ちで生活を続けていました。
しかしながら、その間にも感染症の流行は拡がりを見せ、小学校の休校期間はさらに1ヶ月以上先の5月末日まで延長されることが決まりました。
塾の授業もオンライン授業が続き、授業に参加していなくても、受講する本人の様子がおかしくても、そんな様子は画面の向こうの塾講師には伝わりません。
そしてこちらの様子に関わらず、塾のテキストと課題は毎週のように郵送で、容赦無くドカドカと送られ続けています。
ー 半年前、息子が仲の良い友達と「一緒に東京大学に行く」と約束をしてきたことから始まった我が家の中学受験。
息子は頭のいい子です。本人が希望するのなら東大進学も決して無理な話ではないと、高い目標を持つ息子を私は頼もしく思いました。
そして私と一緒に塾を見学し入塾テストを受け、2月には近所の進学塾に入塾し、まさにこれから頑張っていこうとしていた矢先の一斉休校でした。(↓発達障害と中学受験のカテゴリをご参照ください)
分厚いレターパックに、いつもギュウギュウに詰められて送られてくる塾のテキスト。
我が家ではもう開くことのないかもしれないこの塾のテキストを整理するたびに、私はあの頃にはもう戻れないのかと泣きました。
「俺も東京大学に行く」と言って笑った息子の笑顔は可愛かった。それはたった半年前の出来事です。
あんな笑顔の息子には、もしかしたらもう会えないのかもしれないと泣きました。
とにかく、何があっても私は息子を生かすんだ。もう少し、もう少しの辛抱だ。そう耐えて生活を続けていました。
このような状況ではありつつも、息子が在籍する塾では毎月末に習熟度をはかるマンスリーテストが実施されており、息子は塾生として一応これを受けることになりました。
点数が取れていないことは想定内、だけど驚いた
過ぎた話でもあるので、その時の点数と偏差値をここに記録します。
4科目合計の偏差値は17.3。算数はかろうじて30台。そのほかの科目の偏差値は15から19程度。
こんな偏差値、ありえるんだ…。
今まで自分でも見たことのない偏差値の数値に驚きましたが、今の息子の状況を思うと得点が取れていないことは想定の範囲内。これは想定の範囲のうちなのだと自分に言い聞かせて落ち着きました。
夫も言葉を失い、私たちはただ無言でこの結果を見ていました。
私の認識は間違っていた
名前も書かれていない解答用紙
点数が取れていないことは想定の範囲内である。それは問題ではない。当然の結果だ。
そう自分に言い聞かせて、次に、一緒に送られてきていた息子の解答用紙の写しを見た時、私は想定外の状態に血の気が引いていく思いがしました。
解答用紙には考えたり取り組んだ形跡はほとんどないだけでなく、自分の名前すら書かれていない。
私はこれにショックを受け、息子の心理状態の深刻さをありありと感じました。
テストの日、息子には「テストは解けなくても構わない。できるだけのことをやっておいで。」と言って試験を受けさせました。
息子は問題用紙を受け取り、机に向かい、問題用紙をめくり、試験時間の間はそこに座っていたはずです。
でも、名前すら書かれていないことは一体どういうことなんだろう。
この子は答案用紙には名前を書くということを、知らないはずはないのに。
この頃の息子は、言って促さないと食事も取れない状況でした。
『そっか、テストの解答用紙もまた、言われないと名前を書けなかったのか…』
自発的に、考えて動く、ということは息子にはもうできなくなっているのだと、私と夫はそう話し合いました。
だとしたら、4教科のテストを受ける4時間近い時間を、この子はどのような心理状態で過ごしたのだろう。
数時間もの間、息子は本当に何も考えずにただそこに座っていたという状況が目に浮かぶようでした。
ー 昨冬に受けた入塾テストの時。
中学受験をすると決めた我が家の息子は春からの入塾を楽しみにしていて、入塾テストの前日には自分が使いやすいという鉛筆を丁寧に準備をして、
「1点でも多くとってくるようにがんばる!」
と言って教室に向かったことを私は思い出してしまいました。
有言実行で、入塾テストで息子はいつも以上に丁寧に字を書きました。おかげで漢字や基礎計算は満点で、応用問題にも全力で取り組んだ様子がみられました。
入室基準を超えた点数が取れて入塾資格が得られた時、友達と一緒の塾に行くんだと喜んでいた息子が思い出されます。
それが、たった数ヶ月前の同一人物の話なのか?
私たちは心のどこかで、息子は今は塞いでいるけれど、きっかけがあればまたやる気を取り戻すのではないだろうかと期待していました。
このテストを受けることが、彼に日常を思い出させるそのきっかけになるかもしれないとさえ期待していました。
でもその認識は間違っているのだと指し示すような答案用紙を目の当たりにし、私と夫は何も言わずただそれを見つめていました。
みんなはそれでも頑張っている
もう一つ衝撃を受けたことは、ここまでの状態になっているのは我が家の息子だけなのだということに気づいたことです。
このテストの平均点は普段通り。塾生全体の成績には、大きな変化はなさそうでした。
息子の成績は当時通っていたSAPIXの同学年の塾生のうち、4科目合計点数の順位が6823人中6817位まで下がっていました。息子の下には、6人しかいません。
他の科目一つ一つの状況も同様です。
風邪かなにかで受験しなかった子だろうか。
私はこの頃、息子の様子がおかしいことを親しい人の数人には話していました。
『こんな状況下じゃ、大なり小なりみんなおかしくもなるさ』
『気にし過ぎないで』
『うちもよ〜』
そうだよね。
うちの息子だけじゃない。みんなこの緊急事態を耐えているんだ、と、そう思っていました。
ニュースでも、長引く休校に精神的な不調を訴える子供が増えていると報道されていました。
みんな耐えている。だから、うちも耐える。
そう思って過ごしてきたのに、私はこのテストの結果を見て、みんなは大なり小なりストレスを感じながらも、それでも普通に日常を過ごせているのだということに気づいたのです。
我が家の状況は、一般的な範囲の異変ではない。
息子は病的におかしくなっている。
このことに、私はようやく確信を得たのです。
息子を呼んで話をした
これまでで一番大きなパニックを起こした
とにかく、息子を呼んで、話をしよう。
私と夫は息子を退塾させる可能性を含めて相談し合い、その了承を得るために息子を呼びました。
この前のマンスリーテストの結果が届いたんだけど、
そう切り出しても、息子は何も反応しませんでした。
点数が取れていないことは仕方がないよ。でも、名前も書かなかったのはどうして?
そう尋ねた時、息子は
「書いた」
と答えました。
「書いてないじゃない」、「書いた」、「あなたは書いてないの。話を聞いて。」
「とにかく、今の様子だと、もう塾に行くのは難しいと思う。自分ではどう思う?」
「塾は行く。やめない。」
「どうしてそう思う?」
「まなぶため」
「だったら、切り替えてもう少し真面目にやらないと。名前も書けないのに、塾生の下から7番目の成績で、学ぶも何もないでしょう!」
「まなぶためまなぶためまなぶためまなぶため」ブツブツと繰り返す息子。
「できるだけ応援したいとは思っている。でも、お父さんとお母さんは、今の状況ではもう難しいと思う。だから、」
「まなぶためーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
息子は顔を真っ赤にして大声で叫び、涙を流しながら家中の壁という壁を殴り、ドアに体当たりをして頭をぶつけ、床を転がり、これまでで一番大きなパニックを起こしました。
夫がすぐに抑えますが、息子の力は強く、一向におさまりませんでした。
夫に抑えられながらも、息子は「まなぶためまなぶためまなぶため」と繰り返し叫んでいます。夫は息子の注意をそらそうと、大きな声で呼びかけたり押さえつけたりなだめたりしています。
私は暴れる息子から幼い娘を離すために彼女を別室に移し、寝室に座り込んだらそのまま動けなくなってしまいました。
どうしてこうなったんだろう。
あの時、友達と一緒に東京大学に行くんだと笑顔で話した息子は、いったいどこにいってしまったんだろう。
ちょっと変わったところがあるけれど、小学生らしい明るい素直な子だったのに。
リビングからは、息子の言葉にならない奇声が響き続けていました。
もう限界だろう。
連休が明けたら私は職場に話して仕事を休む。5月は休校中で子供が家にいる職員に特別休暇が付与されると聞いたから、それを申請する。
そして息子の塾は5月で退塾させて、どこか病院を受診しよう。
息子の状態についてのこれまでの認識の甘さに気づき、目の前が閉ざされたような思いがした。そんなGW前半の出来事でした。
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