みなさんこんにちは✨
今日も当サイトへお越しくださり、ありがとうございます。
担当させていただいております連載も、今月もなんとか無事に公開されておりますのでお知らせします(↓)
今月はギフテッド児を育てる上で“せめて親ができること”という趣旨で、思うところを書きました。当初よりこれは育児指南などでは全然なくて、あくまで私なりの考えを書かせていただいているところですが、今月も公開されてしばらくはランキングの上位にも入っていたようで、たくさんの方のお目に触れていることを心から感謝しています。
ニューロダイバースな我が子を育てている親は、いくつもの戦いを抱えています。その中でも親が親なりにできることを探し、求め、実践したいと思うことは我が子に笑っていてほしいからに他なりません。いつでも私たちは全力であると伝わったなら嬉しいです。
来月は、親にはできない、“他人だからできること”という観点で書かせていただこうと思っています。ぜひまたご期待いただけましたら幸いです。
さて、『ニューロダイバーシティ』とは、特性や障害を『多様性』の一つとして捉えようという取り組みです。近年では、ニューロダイバーシティな子どもの育ちに関心の高い団体・個人が増えています。
熱意を持って行動する大人も増えているし、フリースクールもできているし、企業主体でニューロダイバーシティサミットJAPANが毎年開催されることも、アジア太平洋ギフテッド教育研究大会という国際会議が日本で初開催されたことも、研究者の議論の場である学会が発足されることも、
世の中はまさに変化の中にあり、私も当事者の1人として保護者として、本当に心強く感じているところです。
そしてこの9月には、学校も出来たという新聞報道がありました。同じ関心を持つ友人から教えていただき私も拝読したところです(↓)。
ちょっと話は変わりますが、ニューロダイバーシティの起源については東北大学大学院医学系研究科の大隅典子先生のご研究が私はとても興味深くて、面白いと思っています。
特性を持つ子どもの両親のうち、特に父親の加齢が多様性の広がりをより誘発しているというものです。
大隈先生のご研究のすごさは、遺伝的にほぼ均一である近交系の実験マウスを用い、知りたいことを知ろうとするための実験系のデザインです。そうして父親の加齢が生まれてくる子どもの多様性に確実に影響するであろうことを生物学的に示さんとする種々のデータは、本当に美しいと思います。
偉人にちょっと目をやれば、かのチャールズ・ダーウィン氏は、お父様が43歳の時の子だったそうですね。トーマス・エジソン氏もまたそうらしい。きっとこの方々は、日本の学校にいたら日本の優等生とかとは全く別種の子だったでしょうが、彼らが生み出した人類の叡智の広がりは革新的で、しかしそれは彼らが彼ららしく生き延びたその“ついでの産物”にすぎません。そんな多様性の広がりに、父親の加齢が影響していることを示す学術データがあるということが、非常に興味深いです。
おっと、そういう点では私自身は父親が27歳の時の子だった。父は加齢ってほどじゃない、笑。さらに言えば、私の息子は父親が26歳の時の子供だったわ、当時の夫は割と若い父親でした。まぁ我々は、それとは別の遺伝的素因の影響を大いに受けたということですね。
遺伝子というのは本当に、美しいほどに恐ろしい。抗えないところが面白い。
何はともあれ、私たちは生まれ持った特性と共に生きていくしかありません。
父親の加齢とニューロダイバーシティを想いますと、今の日本社会では、もはや晩婚化は止まりません。
すなわちこれから先の日本社会で、構成員はより多様になるということは容易に予想されていくわけです。そんな多様な構成員を包摂できる社会へと醸成していくことは必須であろうと思われますし、それをもうボチボチ加速していかないと流石にちょっとマズいんじゃないかと私は勝手にヒヤヒヤします😅
世の中は、今まさに変化の中に差し掛かります。先ほどのニュースで「学校もできた」というお話は大変心強く感じます。課題ももちろんあるでしょうが、この流れを皆で大きく育てていきたいと、そんな思いが感じられることが私はとても嬉しいです。
以前にどこかで、
『特性のあるお子さんを連れてクリニックに駆け込んでくる保護者が軒並み高学歴だったり高収入の方々で…』
と、そんな話を聞いたような気がします。特性のある子は“そういう家庭”に発生(?)しやすいということか?
いやいや、実際には『軒並み』ってのは言い過ぎだろうとは思います。事実、私は地方都市で両親共に高学歴でもないましてや高収入でもない家庭で生まれ育ちました。
あー…でも。
私の息子はそういう部類かもしれません🤔息子の両親(私と夫)は共に高学歴であり、夫は修士号、私は博士号も持っていて、裕福ではないけれど特別に困窮してもおりません。そして子どもの頃の私自身はクリニックに連れていかれたことはないけれど、息子は私にあちこちのクリニックや教育センターへ引きずるように連れていかれたことがあります。
そうか、そういうことか!と思いますね。
特性のある子が高学歴高収入の家庭に発生しやすい仮説は今の私には否定も肯定もできませんが、
そもそも教養がありアンテナが豊富な両親の環境下に居ないと特性や困りごとに気づいてもらえない、気づいても重視されない受容されないという現実は多分にあるかもしれません。
(→気づいた親はもう偉いということです、私たちはよくやってるよ!🙌)
ご両親、特にお父様の加齢がニューロダイバースを広め得るという話に戻れば、年齢の高いお父様は若いお父様と比較すれば経済力もおありでしょう。
新しくできたこちらのNSIT(学校)も、学費は決してお安くないようですが、このような学校にアクセス可能なのもまた年齢の高いお父様だから出来ることの一つかもしれないと、そんな雑感を思ってみたりもしたところです。
この先、ニューロダイバースはさらに加速していくでしょう。私もそう思います。これまでは無理やり擬態していた人も、素直に生き始めていくとも思います。
そのような社会に対応できる、包摂的な社会の醸成を心から期待しています。
ーーー書籍紹介ーーー
たまたま手に取り読みました。読書が人の「生き様」を追体験するものであるなら、本書は最適な一冊です。若いギフテッドの、特に女性には読んでもらいたいと思いました。こんな生き方も、決して他人事ではないのだと。
実在した女性たちの生き様を淡々と紹介してくださる書籍ですが、私は彼女たちのはち切れん過剰なエネルギーにはどうしても”ギフテッド“という言葉が過りました。時に強すぎるエネルギーに、滅裂に身を滅ぼしていった女性もおられました。非常に考えさせられるものがありました。
私自身ももっと闊達に生きてよかったのにと思えてきます。精一杯生きてきたつもりだけど安全思考で、なんか小さくまとまっちまったな〜、ってね…反省の一方、憧れも強く湧いてきた書籍でした。まだまだこれから、ってことでしょうか👍
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