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場面緘黙:いつも心で繋がっている

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場面緘黙症と育つ娘の成長記録

みなさんこんにちは✨

先週には我が家の娘が誕生日を迎えました。早いものです、彼女も6歳になりました。

子供の誕生日は、いつでも私の最良の日❣️こんな幸せなことがあるか。

娘の昨年1年間を振り返ると、

彼女の4歳の後半から5歳という1年間はまさに努力と勇気の1年間だったと言えるでしょう。また、たくさんの方との出会いが詰まった、本当に実り多き年だったのだと思います。

昨年の初夏、それは彼女がもうすぐ5歳になろうかとする頃、私たちは彼女が抱える“場面緘黙症”という困難に真正面から立ち向かうことを決めました。(詳細についてはこれまでの一連の経緯をご覧ください:↓)

私は娘の母親として、彼女がある程度大きくなり言葉を話すようになる頃には彼女には学生時代までの私に似た困難があるだろうということに、すぐに気が付いておりました。

2歳前まで話さず言葉の遅かった息子に対し、娘は本当に話し出すのが早い子でした。娘は気づいたらもうとても上手に話していたし、明るくて、ユーモラスで、いつもニコニコ、ちょっと大人しくて切り替えが苦手な部分はあったけれど、周りの話をよく聞いているとても聡明な娘でした。

しかし彼女は一歩自宅の外に出ると、その様相は異なることに私はすぐに気がつきました。自宅外ではまるで何かに押さえつけられるように娘の発語は抑制されて、家族以外の人とは会話はおろか目を合わせることもできません。普段は離れて住む祖父母や親類にも同様でした。また、場所が自宅内であっても、家族以外の人がその場にいると彼女の言葉と表情はスッと奥へ引っ込んでいってしまいました。

それが場面緘黙症という言葉で表される障害であることを知ったのは、私もここ数年の比較的最近のことでした。私自身も、かつてはその場面緘黙症の当事者だった。私はその言葉に出会った時、心が大きく揺さぶられるような思いでした。私のあの子ども時代の苦い記憶は全てその“場面緘黙”の所為だったのだと、大きな衝撃を受けました。

当時の私は、地方の小さな田舎町で、時代柄と地域柄でしょうか、理解も支援も受けることはありませんでした。子供だった私は、ただただ自分だけが人と同じにできないことを恥じながら混乱し、言いたいことは頭の中でぐるぐるぐるぐる回るのに、声が詰まったままで息苦しさと早すぎる鼓動に消耗しながら、じっと皆が私に興味を失くして時間が過ぎてしまうまでを耐えることしかできませんでした。自己肯定感など、育つ余地はありません。

あんな思いを、娘にさせるわけには絶対にいかない。

あの時の私が得られなかったあらゆる支援を、娘になんとしても与えたい

私はそう決意をしました。そのためならば、どんなことでもしていこう。何より私は、時間はかかってしまったけれどそれを自力で乗り越えてきた当事者なのです。その経験もきっと生きると思いました。

だけどそれを乗り越えるのは本人なのです。私は、娘が自ら自身の理解をし、これを乗り越えたいと自ら思える彼女の心と体の成長を、私はずっと待っていました。

そうして私たちが一番最初に児童精神科を受診したのが、ちょうど娘が5歳になろうかとする直前の昨年の初夏のことでした。

児童精神科医に会った娘は、いくつかの検査の後にはすぐに診断を受けました。

そうして娘の場面緘黙克服戦略は、速やかに動き出しました。

特に、主治医から紹介を受けたプレイセラピーの専門家の先生にはとても良くしていただいたのだと思います。

彼女は変わって行きました。

もちろん最初は視線も動かず反応もなく、それから徐々に視線だけは動くようになり、数ヶ月もする頃には楽しさから『つい』声が漏れることも起こりました。専門家の先生は、娘の心を守るようにとても辛抱強く接してくださったと思います。

ここでの療育の経験が、娘の地盤を固めていったと私は確信しています。

さらに娘はマンツーマンの指導から集団へと踏み出しました。昨秋からは一般の幼児教室にも通い始めることになり、こちらでも先生方に恵まれて色々なことを経験しながら、娘は人との関わりの手本を学び、頑張ることも覚えました。

娘はみるみる強くなっていきました。

そうしてついにこの5月には、定期的に通っていた療育も、通院も、卒業を迎えるくらいにまでなったのです😭

療育のT先生
療育のT先生

娘ちゃんは本当に強くなりました。ここに来る時間を、もっと他のことに使ってみてはどうですか?

児童精神科の医師
児童精神科の医師

場面緘黙について、約1年間という短い時間でここまで大きく変わってきたのは僕としても驚きです。もちろん気になることがあればまたいつでも来てくださって結構ですよ。

当時のことはまた振り返って書きたいとは思いますが、娘はこの少し前から何かしらを察知してはいたのでしょう、不思議な顔で私にこう訴え続けることも増えていました。

娘

もしかしたら、ばめんかんもくが治ったら、T先生のところにはいけなくなるの?ねえ、そうなの?

娘と先生との間には信頼関係が生まれていることは分かっています。

だけど、支援を受けてその困難が解消されていくほどにその先生には会えなくなってしまうことは事実でもあるのです。彼女はそれを理解して、察していました。

私はなんと言っていいか、悩みました。

私

娘ちゃんはT先生のおかげで強くなれたよ。だけどT先生のご支援が必要な小さい子はまだ他にもいるんだよ。あなたがここを卒業したら、T先生は今度はその子達のことをしっかりみていくからね、娘ちゃんには先輩としてその小さい子たちの頑張りを気持ちよく応援してあげてほしいとお母さんは思っているよ。あなたがかつてそうだったように、これから頑張る子供達にも素敵な未来が開けるように。

療育のT先生
療育のT先生

私たちはどんな時も心で繋がっていますいつでもまた会えますよ♪

また、娘が信頼している保育園での担任の保育士さんからも娘に話をしてもらいました。

保育士さん
保育士さん

僕もね、幼稚園の時に大好きな先生がいて、その先生がいたから自分も立派な保育士になろうと思ったんだよ。もちろんお別れは辛かったけど、先生はその先生にお手紙を書いたんだよ。その時のお手紙のお返事は今も大事に持っていて、今も先生を支えてくれている。人はずっと繋がっているんだよ。

色々な話を聞いて、娘もまた『わかった』とは言いました。

そうして楽しく療育を卒業することができました。

それからすぐ。

私と娘が一緒にお買い物に行った時、娘からこんなリクエストがありました。

娘

ねえお母さん、かわいいレターセットがほしい。T先生にお手紙を書くから。

それは素敵だ。可愛いものが見つかるといいね!

その夜に娘は机に向かい、あーだこーだと言いながら、自分だけでお手紙をしっかり書き上げました。彼女なりの近況と、彼女の心からの希望がやや控えめに書かれていました。

娘

娘ちゃんね、T先生と一緒に写真を撮ればよかったなーっておもってたんだよ。だって一緒に写った写真はないから。だからそのことを書いたの。

気の利かない母ですみません。療育に夢中で写真の一枚もなかったかー。

それから少しして、なんとそのT先生からお返事が届いてありました🙌それをポストに見つけた娘の、嬉しそうな顔と言ったらありません😊

めちゃくちゃ嬉しそう。何度も読んで大切にしていました。

そして『またお手紙を書くんだー♪』と言っていた、そんな矢先のつい先週。

誕生日を迎えた娘にそのT先生から、可愛い可愛いバースデーカードと、娘を知る人ならば彼女が絶対に喜ぶことを確信できる小さな可愛いプレゼントが届きました😭

T先生
T先生

またあそぼうね!✉️

娘

うれしい!

あ!お父さんから誕生日に腕時計を買ってもらったことをお返事に書こうかな!レターセット出さなきゃ!

いつも心で繋がっているって感じられるよ、ありがたい😭
私

嬉しいね、あなたの最近の様子も教えてあげたら喜ばれると思いますよ〜。

娘

そっか!保育園のことも書こう!自転車に乗れるようになったことも!

あー、これからもいっぱい教えれることがあったらいいのになー♪

私

あなたがいつも楽しく過ごしていることを聞けたら、T先生もどんなにお喜びになるだろうね。これもいっぱいっぱい教えてあげられるよ、あなたはあなたらしく、素敵なお姉さんになっていこうね♪

娘

分かってるって〜😊

そんな6歳の誕生日の出来事でした。

1年前。娘の場面緘黙症への対応に踏み出したことが本当によかったと思っています。

彼女の5歳の1年間は、彼女の人生を切り開くための努力と勇気、支えとなる支援者との心の繋がりさえももたらしました。この1年間に得たものは、きっと彼女の今後にとても大きな寄与をする。その地盤を作れたことを私は確信しています。

私は、遠いようですぐそこの未来が楽しみで仕方がありません😊

いつか、あなたがあなたらしく育って大人になる頃、あなたは『この1年間』をどんな形で心の中に残すだろう。

何も覚えていないってこともあるかもね、5歳だし😅

だけどあなたはこの1年間で、あなたの道を切り拓いていくための確かな手がかりを自分の力で掴んだこと、それを支える大人たちが皆あなたの健やかな成長を願ったことは、大人になったあなたの誇りや自信の一部を形作っているだろうと私は思う。

本当に、本当に大きな成長をした1年でした。

6歳のお誕生日、おめでとう💐

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