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場面緘黙:よりによって、それを言うか!

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場面緘黙症と育つ娘の成長記録

みなさんこんにちは✨

今日は成人の日ですね。新成人の皆様におかれましては、誠におめでとうございます🙌

成人を迎えられるお子さんの幸多き未来を思いながら、私はそれまでお子さんを支えてこられた全ての親御さんにも頭が下がる思いです。皆様、本当におめでとうございます。

私は、私の子供達もきっといつかそんな日を迎えることをとても楽しみに感じています。

息子は、どんなに素敵な青年になるだろう。

娘は、どんな幸せを見つけていくのだろう。

どうか彼らの将来が明るく幸せに満ちたものになるようにと、心から私は願っています。

もちろん彼にも彼女にも、人とは違う、乗り越えなければならない壁は多いです。私はそれをどんなことでもサポートしたいと思っています。

今日は、場面緘黙症を有する娘が先日に偶然出会ったエピソードの一つについて記録したいと思います。それは、彼女が将来の夢を追うならば、もしかしたらチャンスだったかもしれません。だけど私は正直に申し上げて大変ショックでもありました

私

よりによって、この子にそんなことを言われようとは…あまりにミスマッチ過ぎるだろう😨

娘には、この出来事はどう映ったことでしょう。

彼女はこれを、乗り越えようとするだろうか。応援はしたい、だが難しいだろう。私はとても複雑な思いを感じています。

テレビの子役のお仕事に興味はないですか?という話

アイドルになりたいと言う娘

時は少し遡り、昨年の春頃ですね。娘が4歳の後半に差し掛かる頃、彼女は自ら“将来の夢”を話すようになりました。

娘

娘ちゃん、アイドルになりたい!ダンスとか習いたい!

そうかそうか、あなたは顔も可愛いし小柄だけど手足はすらっとしているし、とても良いと思いますよ、目指すだけならタダですし👍(←ヲイ🤣)

私の娘には、場面緘黙という障害があります。

場面緘黙は不安症に分類される疾病の一つであり、主に自宅以外の場所において発語や行動が抑制されることが表面上の主症状。

私自身も、かつてはこの場面緘黙の当事者でした。だからこそ、私は娘がずっと幼い頃から彼女にもまた場面緘黙があることには気づいており、彼女が自ら自分の症状に向き合える然るべき時期がやってきたらその対応を開始しようとずっとずっと待っていました。

ある日、まもなく5歳を迎える娘が『アイドルになりたい』と娘が将来の夢を話すようになった時、私はその確信を感じました。

動き出すべきは、絶対に今だ。

彼女が自分の将来を想像できるようになってきた、今こそ対応を開始すべきタイミングに違いない。

そうして私は娘を診ていただける医療機関を探し出し、私と娘はとても順調に専門家によるサポートチームを構築していきました。おかげで今はスモールステップで、とても良い経過を辿れていると思っています。(その経過は一連の記事にて記録しています↓)

これは、そんなある日の出来事でした。

お散歩中の出来事

12月末の、冬休み。

私と娘は予定していた“岡本太郎展”を見に行くために、都内を電車で移動をしながら、晴天の下でゆったりとしたお散歩を楽しんでおりました。穏やかな晴れた日の外出に娘は大いに喜んで、走ったり冗談を言ったりニコニコ明るい笑顔で過ごしました。

娘も楽しんだようでした😊(館内での撮影は許可されておりました)

その途中。

私たちが二人でニコニコ歩いていたところに一人の男性が寄ってきて、私たちはとても丁寧な物腰で声をかけていただきました。

男性
男性

突然すみません。お嬢様の柔らかい雰囲気がすごく良いです。テレビの子役のお仕事に興味はありませんか?お名前だけでも教えていただけませんか?

ええ、娘はとても可愛い子ですのよ。よくお気づきになられましたね。

そうして私は資料を渡され、名刺をもらい、とはいえそれに私の意見はあまり重要ではありません。私は娘の意見を聞いてみるべきだと試みました。

私

娘ちゃん、アイドルになりたいって言っていたね。この方が、テレビのお仕事に興味はありませんかというお話をしてくださっているよ。

娘

(頷く娘。返事はしない。)

男性
男性

それは良い!この名刺で体験レッスンを受けられるので、ぜひ一度遊びに来てくれるかな?

娘

(頷く娘。返事はしない。)

返事はなし、発語もない。しかし表情はわりと穏やかで、話は聞いていそうでした。

へー、こういうこともあるのねぇ。

私としては娘がやりたいと言うのであれば、なんでもやってみれば良いじゃないかという考えです。合わないと思ったら退けば良いし、やってみないと分からないことも多いしね。何かあれば親が全力で守れます。挑戦は娘次第だと思っています。

そんな会話を交わしながら、短い時間ではありましたが、その場は和やかに時間が流れていきました。

よりによって、この子にそれを言いますか😨

お話はよく分かりました。興味が持てそうなら事務所にお電話差し上げれば良いのですね。どうもありがとうございました。

そんな和やかな別れ際、その男性がとても朗らかにサラッとこう仰いました😅

男性
男性

あ、お嬢様は、口は達者な方ですか?おしゃべり上手な子を求めています。

そういう点では、真逆ですわ!😨

ごめんなさいね、それとは全くの対極です!とは思ったけれど、流石に私も娘の前でそんなことは言いません。

私

自宅ではおしゃべりでユーモラスで、明るいムードメーカーなんですよ〜😊(←嘘ではない)

男性
男性

それは素晴らしいです。ご連絡をお待ちしております。

そうして私たちはにこやかにその場を離れました。

だけど内心では、私はショックを受けました😨

私

よりによって、この子の前でそんなことを言われようとは…😨)

まさか、緘黙を有する娘に、面と向かってお喋り上手であることを求められる日がこようとはと驚きました。(←その男性は悪くないのです、単なるミスマッチだと重々理解しています)

娘はどう、感じただろう。きっと話は全部理解しているだろう。私はそれも心配でした。

それから私たちは都立美術館で美術展を堪能し、ついでに上野動物園でパンダを見て、疲れたのでカフェに寄っておしゃべりをしてゆったりと自宅に帰りました。

娘はこれを乗り越えようとするだろうか

帰宅後に、娘はもらったパンフレットなどの資料を広げていました。

娘

やってみたいな…

娘はポツリと言いました。お父さんにも自分で資料を見せながら、やってみたいと話していました。

もちろん私だって、あなたがやりたいと言うものならば何であっても応援したい。だけど、実際これについてはどうなのだろう。私は、今の娘にはこれはあまりにもミスマッチであろうという感覚を取り除くことはできませんでした。

例えば娘が毎朝登園前に見ているEテレのスイちゃんのような活発な子役のお子さんを想像すると、どうしても私は、娘との違いにばかり目がいってしまい考えさせられてしまうのです。

世界は繋がっているようで、大きな段差もあるのだろう。

障害って、いったいなんなんだ。

私は考え込んでしまいました。

私

あなたの気持ちはわかったよ。

だけどお母さんは、それをやるならお名前だけでも言えるようになってからのほうがいいと思う。

この時、私は娘に暗に否定的な言葉をかけてしまったような気がします。この対応で良かったのだろうか。

娘をよく理解してくださっている、療育先の先生にも意見を伺いたいと思いました。

T先生
T先生

お母様がその場で『この子は緘黙なので話せない』と言わなかったことは正解です。娘ちゃんは今ものすごく伸びようとしている時期だと私もすごく分かります。だから大人が本人の前で、『この子は話せない』と言うのは今後は一切無しにしましょう。

しかし何においてもお名前は言えた方が良いには違いないですから、今はみんなが考える時間を確保しましょう。

そうして私は娘に改めて、このように伝えることにしました。

私

あなたがアイドルになりたいという気持ちも知っているし、この前に街で声をかけてもらったテレビのお仕事のお話もお母さんは決して否定的には思っていないのよ。(←遅いかもしれないけど、訂正の意味も込めて。)

だけど、あなたは私の宝物で、街で偶然会っただけの人にあなたを預けられるかなんて心配すぎるからお父さんとお母さんにそれを調べたり考えたりする時間が欲しい

調べるためには、時間はかなりかかると思う。だからその間に娘ちゃんの役割は、どうしたら自分のお名前を言えるようになるのかを考えてみて欲しいのよ。

どうだろう。

娘自身は、この段差を乗り越えようとするでしょうか。

娘が本当にアイドルになるとか子役の仕事をできるとは思ってないけど、とにかく今私が強く思うことは、この現状との大きなミスマッチに出会ったことが、娘のさらなる成長に向けて一つのきっかけになったら良いなということです。

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