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自分“以外”の緘黙の方から学ぶこと

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場面緘黙症と育つ娘の成長記録

みなさんこんにちは✨

一昨日にお知らせをしたオンラインでのお茶会についてですが、ご参加いただけるという方がおられて嬉しい一方、昨日までに7名の方から『残念だけど日程が合わない』というお知らせが相次ぎまして本当にすみませんという感じです😅

1月の、年始の月曜のしかも午前中というのはもう、例えば北海道ではこの日が子供の始業式で親も動き出す日であったりとか、仕事の調整や予定が最も混み合う時期の一つのようです💧

『私たちの予定が合う日って、世間的にはとても忙しい日だったのねぇ』と私と塩沢さんはお互いに苦笑いをしたりしています🤣

だけどそれでも全員の予定が合う日というのはそもそも存在しないと割り切って、今回はご都合が会う方のみで決行します。ご都合が合わない方にはまた次回にでも!次回はもう少し早めにアナウンスしますね、すみません👍

というわけで、今日は娘の場面緘黙に関連して、情報共有方々、学んだことを記録しようと思います。

場面緘黙の人に会ったことはありますか?

自分“以外”の緘黙の人に会ったことはないかもしれない

当サイトでも何度か書いている“場面緘黙(選択制緘黙:selective mutism)”についてですが、

今日はここで思い切って問いかけてみたいと思います。

あなたはこれまでの人生において、場面緘黙を有する方に会ったことはありますか?(ある方は挙手で🙋‍♀️)

私の娘は、この場面緘黙の当事者です。私自身もまたかつての当事者(経験者)でした。私は子供の頃にはこの症状で辛い経験もしてきました。

だけどふと思い返すと、これがまた大変不思議なのですが、私自身はこれまでの人生を送る上で私自身と娘以外の緘黙の方に会ったことはないという事実に気がつきました。

不思議なほどにそんな機会はなかったな。なぜだろう。

その要因はいくつかあると思います。

場面緘黙を有する方は、『私は場面緘黙でーす🙋‍♀️』とは言わないから分からない。また、他の疾病では当時者たちが集まり気持ちを共有し合う当事者会という場もあるようですが、残念ながら場面緘黙に関してはこのシステムはフィットしそうにありません。当事者が集まったとしても、会の進行が少し難しいかもしれませんね🤔

また、私のように、これをある程度克服してきた人間は、すでに場面緘黙の面影を残しません。今の私しか知らない人は、絶対に『私』と『場面緘黙という障害像』を結びつけることは出来ないだろうと思います。

さらに場面緘黙を有する人は、不安や緊張は極度に強いながらも外からの指示を理解するので集団生活が可能なケースも多いです。そのような人は周囲には“大人しい“とか“目立たない”、“真面目な人”という印象を与えます。本人の困り感が外からは汲み取られにくいという点もあるでしょう。

だからこれまで場面緘黙は、報道等でもその当事者の姿や困難が大きく取り上げられる機会は少なかったのだと思います。

自分以外の緘黙の方から感じたこと

だけど先日、私たちは当サイトを読んでくださる方からの情報共有で、場面緘黙の当事者の方のドキュメントを視聴する機会がありました。(Nさんありがとうございます!🙌)

『みいちゃんのお菓子工房~場面緘黙症 少女の夢~』というタイトルで報道された、14歳の女の子のエピソードです。

*みいちゃんのお菓子工房~場面緘黙症 少女の夢~_11/11

みいちゃんの、表情、視線。これが場面緘黙です。

それらは当時の私にも、今の娘にもとてもよく重なるものだと感じました。

少し前に、私は私の娘の外出先での表情を見て『娘はやっぱり障害児なのだな…』と思ってしまったことを書きました(↓)。

その時の娘の様子が、このみいちゃんの表情や視線のあり方とまさに全く同じものなのです。

緘黙のお子さんは、お話をすることは難しいです。

だけどそれは、ただ喋れない人なのではありません。

外から見て、緘黙児はやはりある種の違和感だったり異様さを与えうると思いました。それは当時の私もそうであったし、今の娘もまたそうであることを、私はこのドキュメントを見てふと客観的に心に落とし込めたような気がしています。

これが、緘黙児の実態です。

これまで当事者に会ったことがない方は、こちらの報道映像を見たとしたらどうしても当人に多少の異様さを感じるでしょう。だけど私は当事者として、みいちゃんの状況を想像することが可能です。きっと彼女の頭の中ではぐるぐるぐるぐると高速で言葉が巻いて不安に駆られて喉が締め付けられているのだろう。表情は止まっているように見えますが、決して思考していないわけではないのです。

これが場面緘黙の姿なのだと知りました。そしてどうか、当事者はものすごいエネルギーで戦っていることを、多くの方に知っていただきたいと思いました。

娘は真っ直ぐに受け止めていた

私はこの報道を、娘と一緒に視聴しました。

この症状に苦しんでいるのは自分だけではないんだよ、自分だけが話せないわけではないんだよ。そう伝えたいと思いました。さらにできれば、他の緘黙のお子さんで、こうして好きなことや得意なことに巡り合い精一杯に生きている人がいることが娘にもどうか伝わればいいなと思いました。

娘は私の膝の上でずっと集中して見入っており、動画が終わるとポツッと一言、言いました。

娘

みずきさんも、おうちでは喋れるんだね。娘ちゃんとおんなじ。

私

そうだねぇ。おんなじだね。場面緘黙って、そういうことだよ。あなただけではないんだよ、同じ障害で頑張っている人は他にもいるの。

私は娘に、あなたの困難は場面緘黙という障害であり、努力とか、そういう問題ではないことをこれまで何度か口頭で説明してはおりました。だけど娘の周囲には同じ症状を呈する人はいないので、娘にとっては『そう言われてもピンとこない』感じだったと思います。

みいちゃんのドキュメントを見て、娘も私も“自分以外”の場面緘黙を有する人の様子を初めて見聞きすることが出来ました。それは娘に何かを感じさせたのでしょうか。きっと何かを感じ取ったに違いない、そんな彼女の一言だったと思いました。

今後気をつけたいと戒めたこと

報道を見て、親御さんが『親がいなくても生きていける方法を』とおっしゃっていたことは私にとってとても印象的でした。本人が居場所を得る手助けは、私も惜しまないつもりです。

一方で、場面緘黙は不安症の一つであると言われるように、当事者の行動、私はこれをバンジージャンプに例えたりもしておりますが、一つ一つには常に極度の不安や緊張がかかっていることを改めて思い知ったように感じました。

そんな決死の日々を送っている当事者に対し、周囲が『できるはず』『もう一歩踏み出してみよう』という、たとえ善意であっても負荷となる期待や環境調整をかけることは、それは他人が想像する以上に大きな負担になるのだろう。このことを私は必ず知っておくべきだと思いました。事実、みいちゃんも精神的にバランスを崩してしまっています。

私には、自力でこの場面緘黙を乗り越えてきたという自負があります。だけどそれも高校生頃のことであって、体も心ももっと成熟してからでした。

私は自分が乗り越えたからといって、まだ5歳の娘にはどんなに良かれと思ってだとしても絶対に挑戦することを強いてはいけない。

きっかけを掴めるようにはどんなことだって応援したい。

だけどそれは娘のペースでのみ叶うもので、私が引っ張ってはいけないことを、これからの私は改めて強く戒めていこうと思いました。

場面緘黙を有する人は、0.2%前後(500人に1人いるかどうか)と言われています。

周囲において、当事者に会ったことがない人の方が多いだろうと思います。

ぜひ一度、こちらの報道を見てみてください。実態を映像で見ると、理解が正しく深まるだろうと思います。

みいちゃんに関するその他の動画はこちらです:

【場面緘黙症】「特定の場面で話せず…体が動かせない」14歳の少女…洋菓子作りを通じ追いかける『パティシエの夢』「ケーキで人々を笑顔にしたい」(2022年3月29日)
【場面緘黙症】家の外では話せない…14歳少女の「夢」と支える家族『news every.』特集

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