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就学相談:緘黙児の心を解いたプロの声かけ

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場面緘黙症と育つ娘の成長記録

みなさんこんにちは✨

現在6歳で保育園の年長さんである私の娘には、“場面緘黙”という障害があります。彼女はこれまでその困難と共に育ち、向き合い、乗り越えようと努力をしているところです。

とはいえ、どうか少しでも娘に負担のない小学校生活となるように、就学後の娘の環境調整を目指す一環として私たちはこの夏に、地域の小学校への就学を見越した“就学相談”を受けました。(詳しくは当時の記事をご参照ください↓)

【就学相談とは】

主に就学や進学する前年度に、お子さんの心身の状態や発達段階、障害の特性などに応じて適切な教育を受けられるようにするために受ける相談です。この相談は教育学的、医学的、心理学的な観点から、お子さんにとってよりよい就学先について相談、協議する機会となります。

そうして無事に、行ってくることができました。私自身も、就学相談の場は初めてでした。母子共に不安を感じながら初めての場所へ行きましたが、結果的にはとても朗らかに緊張が解けて、予定された検査や面談を全て終えることができました。

何より、その場で娘の心を解いてくださったのは、『さすがプロ!』と唸るばかりの相談員の方の対応でした。

私は驚き、なるほどと学んだような気持ちでした。

なるほど、これがプロの技というやつか!

なんでもないことなのです。だけど今日はそんな私が感動を覚えた“プロの声かけ”の例を少し記録しようと思います。

この日、娘は初めての区の教育センターへと出かけて行って、初めての人たちと同じ場で、やっぱり最初は不安を伴う面持ちでした。

通していただいた相談室には、コーディネーターという担当の相談員さんと、今回娘の心理検査を担当してくださるという心理士さんのお二人が既に私たちを待っていました。いずれも女性の方でしたので、私は娘にも多少は親しみやすいのではないかな?と感じました。

しかし娘は、私の斜め後ろに立ったまま、表情がいつもと違います、とても乏しい。娘はとても不安げでした。相棒のパンダのぬいぐるみ、お茶を入れた水筒と、好きなお菓子が入った彼女のカバンを持ったまま、娘は硬い動きでした。

私は娘を気にしながらも、担当の方々にご挨拶をしながらお部屋に入りました。

私

こんにちは、今日はよろしくお願いします。

相談員さん
相談員さん

こんにちは。

娘

・・・。

まぁ、反応しないよね。ここで朗らかに挨拶を返せるのならば、我々は就学相談に来ていないのだ。娘よ、あなたはそのままで素敵だよ、無理はするなよ。

私と娘も席につきました。娘は、カバンと水筒をテーブルの上に自分で置いて、相棒のパンダを膝の上に乗せています。

私たちは事前に娘の場面緘黙のことを伝えています。相談員さんはそれを踏まえた上で、娘に話しかけてくれました。

相談員さん
相談員さん

可愛いパンダちゃんには、お名前はあるの?

娘

・・・。

まだまだだ。娘は前を向いているけど、まだ視線は動きません。

相談員さん
相談員さん

今日はどうやってここにきたの?

娘

・・・。

だけどここで、三言目。

相談員さん
相談員さん

水筒には何が入っているの?お水かな?

娘

・・・。

相談員さん
相談員さん

お茶かな?

娘

・・・。

それでも娘は動きません。

相談員さん
相談員さん

あ、そっか、お味噌汁だよね!

娘

くすっ(←笑った!🙌)

娘

お味噌汁なわけ、ないよねぇ、お母さん😊

なんてこった、まさかのお味噌汁とは!🤣

娘にしてみりゃ、“つい笑ってしまった”という感じでしょうか、微かに笑顔が漏れました。娘はずっと反応することはなかったけれど、しっかり話は聞いているということなのです。

それにしてもすごい、さすが。私にはこうは言えまいな🤣私も一緒にウケながら、私は大いに驚いていました🤣

相談員さんは続けます。

相談員さん
相談員さん

ここは相談室の4番です。向こうの隣は5番です。娘ちゃんはこれから、反対側の隣の相談室でゲームのような検査を受けるのだけど、さぁ、そのお部屋は一体何番でしょうか?

娘

…3番。

拍手喝采、娘は『すごいね、分かっているね』と褒められて、安心したような、同時にどこか誇らしそうな表情です。(←娘には認知能力に遅れはなさそうであることは、私から事前に伝えていました。)

お味噌汁作戦がテキメンに効き、以降はもう大丈夫。

娘は心理士さんと2人で別室へスムーズに歩いて行ってしまいました。さらには娘がお部屋を出る時には、私の方を振り返り、バイバイって手を振ることまでしてくれました😭

私はそれを、安心して見送りました。

娘が部屋を出てからすぐに、私はお礼を伝えました。

私

お味噌汁って、面白いですね。娘もついつい笑ってしまったという感じでしょうか。緊張しておりましたが、上手に解いてくださって本当にありがとうございます。

相談員さん
相談員さん

緘黙のお子さんは何人も見てきております。それでも、いつも試行錯誤なんですよ。

娘ちゃんは芯の強そうなしっかりしたお子さんですね。

私

そうなんですよ。1年前までは不安が強くて、緘動もあったし、切り替えも苦手で、本当に就学も心配で心配でたまらなかったくらいなのです。だけどここ1年、支援者の方に恵まれまして彼女は強くなりました。

私も子供の頃に緘黙を有していましたが、同じ年齢の私には出来なかったことをどんどん吸収しているのです。本当に、私の自慢の娘なんですよ😊

そうして私は面談へ。

娘も心理検査(K式)をしっかり受けて、2時間ほど経ったでしょうか、ニコニコ顔で私のところに戻ってくることができました。

娘

ぜんぶできたよ。っていうかさ、今日やったテストって、前に“ごあいさつの病院”でやったのと同じじゃない?

え、気づいちまったのか!覚えてたのか!いずれもすごいな!

経験豊かな相談員さんのおかげさまで、私たちは朗らかな就学相談の1回目を終えることができました。次は行動検査が冬に予定されておりますが、この分であればあまり心配は要らないのかな?と楽観視したくもなりますね。

どのように事が進もうとも、私はいつも慎重に、丁寧に見守りたいと思っています。

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