みなさんこんにちは✨
以前の記事(↓)で冒頭にもチラリと書いたものですが、場面緘黙症を有する娘は専門家による心理療法を受けながら、彼女はこの11月より一般の幼児教室に通うことを始めました。
幼児教室と言ってもさまざまです。
東京都内では私立や国立の小学校の選択肢もものすごく広く、子供に合った小学校を探して小学校受験に挑戦するご家庭も多くあるとのことで、小学校受験、いわゆる“お受験”への対策としての幼児教室も多いです。
今回娘がお世話になる幼児教室も、まさにそんなお受験向けの教室の一つです。だけど我が家の場合は、これをどうか娘の障害へのケアの一つ、すなわち療育(発達支援)の一環としてお願いしたく入室させていただくことを決めました。通い始めて1ヶ月半ほど経ちますが、今のところそれはとても良い選択だったと感じています😊
ハラハラと心配しっぱなしの私を他所に、娘は様々なご配慮をいただきながらとても楽しそうに通っています。
療育の一環としての幼児教室という選択
幼児教室がどんな場所かもわからないまま
幼児教室…。
それはもともと教育レベルの高いご家庭の育ちだったり、ご自身や近いお身内の方が小学校受験をされた方には身近な存在であるのかもしれません。だけど一方、私のような地方出身で教育に関する知識や経験の少ない親にとって、それはなんとも雲の上のような存在でさえありました😅
幼児教室に対しては、きっと話を聞ける人は近くにも何人かいそうだけれど、当の私がそれに関する話題が日常的に上がるライフスタイルではないために、本当に情報からは縁遠かった状態です。
幼児教室…。例えば、完全な私の偏見のイメージで恐縮ですが、そこには小学校から多大な学費をかけることが可能な特別なご家庭のご子女が集い、それぞれの将来の立場を見据えた帝王学など学んでいるのかと私は思っていたくらいです(←本当に無知でお恥ずかしいと思います😅)。
東京都内を歩いていれば、濃紺の上品なワンピースをお召しのお母様と、同様に真っ白のブラウスを着たお子さんという組み合わせも割と頻繁に見かけます。きっと幼児教室の行き帰りであろうことはパッと見ても分かります。
なんでみんな同じ格好をするんだろう、リクルートスーツみたいだなぁ〜。日本のリクルートスーツも不思議な文化ではあるけれど、お教室という場所にもまた独特の文化があるのだろう。ま、我が家には無縁な世界だろうけど。
ええ、つい数ヶ月前までそう思っていたのは私です💧
まさか場面緘黙を有する自分の娘が小学校受験を強く意識した幼児教室へ通うことになろうとは、この時はまだ露ほどにも思いません。
本当に、人生は何が起こるか分かりません。私もいずれ同じ濃紺のワンピースを購入する運びとなるでしょう(←どこで買えば良いか、詳しい方、教えてください!)。今日はその幼児教室への入室を着想する経緯について、簡単に記録したいと思います。
療育は専門家とのマンツーマン
その経緯を記録するには、まず最初に娘がすでに継続的に通所をしている療育機関について触れなくてはなりません。
娘は今年の初夏に、いくつかの検査と診察を経て、ようやく“場面緘黙”及び“自閉スペクトラム症”の診断を受けるに至りました(↓:その経緯は一連の記事シリーズにて記録しています)。
場面緘黙は、私自身もかつての当事者でした。幸いにも私自身はそれを独力である程度乗り越えてきたと思っていますが、私は高校入学頃までこの症状を引きずりとても苦しみました。私自身も子供の頃には辛い思い出も多いのです。悔しい、やるせない、何もできない、混乱する。そんな思いを、本当にたくさんしてきました。
だからどうか、どうか娘には、当時の私が受けられなかったあらゆる支援と繋がってほしい。私の願いはただそれでした。
もちろん私も分かっています。どんな支援があろうとも、結局は娘は自身の力で困難を乗り越えていかなくてはなりません。だけどその時、彼女の困難に理解を示し、彼女の力が伸びようとすることを助けてくれる専門家や協力者との信頼関係があったとしたら、それは娘にとってどれだけ心強く励みになることだろう。
私は、娘の診察と診断をしてくださった主治医がきっと鍵になると思っていました。主治医を中心とした娘のためのサポートチームを組むのです。私は主治医に今後の私たちが関われそうな専門家をご紹介いただきたいと、どんな情報もいただきたいと何度もお願いしておりました。(←しつこかったと思います。でも、私だって本気なのです😤)
娘ちゃんにはこちらの機関は良いかもしれませんね。とてもしっかりした専門家がおられます。ご紹介しましょう。
そうして繋いでいただいたのが、今通っている療育機関との出会いでした。
こちらの療育機関の大きな特徴は、娘と私、そして先生だけのマンツーマンで心理療法を受けられることであることでしょう。療育とは、その子その子の発達状況や認知特性に合わせた関わりをすることにより、その子の力を引き出していくことを目指すものです。マンツーマンでの対応は、非常に理にかなっていると思います。
これが私たちにとって、初めての心理療法への参加でした。
娘も、最初はただ私に連れられて付いてきて、ずっと無言で戸惑ったような無表情で過ごしていました。先生の指示は聞けるが返事はしない、指示に沿って体を動かすことはするけれど笑わない、視線は遠くを見たままで、感情を閉ざし自分を守ろうとしているようも映ります。そんな状態の娘でした。それでも何度か通ううちに、セッションが終わって、私が『ありがとうございました』と言って退室する扉をパタンと閉めたその瞬間に、
たのしかったーー!!✨
と、まるで止めていた呼吸をようやく再開できたといわんばかりの勢いで、堰を切ったように喋り始めたりも見られるようになりました。
(楽しんではいるようだ。しかし、分かっちゃいるけど、この子はこんなにも人とのコミュニケーションが取れないものか。だけどこれが緘黙児の実態なのだろうなぁ…)
しかしそれも、通所し始めて半年ほど経つ今では娘も変わりました。
次はいつT先生のところにいくのー?😊
娘も自ら積極的に行きたがり、教室での遊びで楽しければ笑い声が出るようになっていき、それから発語も少しずつですが見られてきて、なんと最近では自ら主体的に選ぶこと、『いやだー🤣』とか『やめてー🤣』等の自己主張をすることや、さらには指示に背くなどのちょっとした可愛い我儘(←先生は『これは我儘なんかでは全然ない、良い傾向だ』と仰ってくださっておりますが😅)のようなものさえ出るようにもなっています。
私は娘がこの場所を、自分にとっての“安全地帯”であることを知ったのだろうと察しました。
こちらの先生は、“ラポール”の形成がとても上手いのだと思います。
ラポールとは、心理学用語で指導者と緘黙児との信頼関係を示すもの(←フランス語で『橋を架ける』という意味らしいです)。強すぎる不安を基盤とする緘黙児に対しては、まずはその場所と人が安全で安心であると感じること、すなわちラポールを形成することが何よりも大事なファーストステップになるのだと何かの書籍で読みました。
『非言語でも遊べることからの関わり→緊張が溶けやすくなる→嬉しくなる→つい声が出てしまう→受け入れられる→嬉しくなる』
そのような経過を、娘はこちらでとても上手に辿れているのだと思います。
娘は変わっていきました。
『私はこのままで大丈夫』『このやり方で大丈夫』
そんな自信や振る舞い方への知識の蓄積が、娘の中に育まれつつあるかもしれない。
実際に、この冬の保育園での面談でも担任の保育士さんには非常にポジティブな言葉をいただきました。
娘ちゃんは療育に通い始めて、明らかに変わりましたよね。出来ることも関われる人も、園での発言も増えています。伸びていますね!😊
本当に嬉しい言葉でした😭
これはきっと、娘にとっての安心して立てる自宅以外の“地盤”が明確に一つ増えたことの効果だろうと思いました。
そうするうちに、私は“次”のステップを想像していました。
今得られたこの地盤に片足を置いたままで、もしかしたら私たちは次の一歩を踏み出せるのではないだろうか。
特にマンツーマンから集団へ。そういう関わりを作ることに、今こそ挑戦して行けるのではないか。そうして娘の世界は広がってさらなる成長を促していけるのではないだろうか。
私はこの着想にワクワクしつつ、一方で最大限に慎重にもありました。
娘が集団の中で伸び伸びと学べる場所を探して
ところで、娘は住まいの地域で区が運営している『こども発達センター』へも2ヶ月に1度の頻度で相談に行くことも続けています。こちらは校区の公立小学校への就学を見据えれば、様々な連携をお願いするためにまさに基幹となる施設です。娘の状況を正確に把握してもらっておかなくてはなりません。
こちらでも集団での療育の指導を受けることは可能です。しかし以前に私が問い合わせをした際にはこのようなお返事をいただいていました。
今は緘黙のお子さん向けのクラスは開催していないのです。
知的障害及び重い発達障害を抱えるお子さんで今は定員がいっぱいになっている状況です。
それならまぁ、仕方ないです。私たちは顔つなぎを主目的にして、就学までの期間を現状の相談に通わせていただければ十分だろうと思いました。
しかし私は、ここでの娘の様子が顕著に不穏であることはかねてより気になっておりました。
私たちが相談室に入る際にも、様々なお子さんと一緒になります。突然大きな声を発する子、前触れもなくびよん!と跳ねる子、距離感が近すぎて娘の顔のすぐ近くまで覗き込んでこようとするお子さんもおられました。お子さんたちは概ね楽しそうな様子ですが、全体的にはなんだか無秩序な様子です。
そんな場面で、娘は大きく泣き出すか、まるで『カチン!』と音が鳴ったように固まってしまって無表情で動けなくなることがありました。自分の予想しないことが起こった際に、大きく混乱していたのだと思いました。
気持ちはわかる。
私も以前、そんなカオスな状況で『辛い』と感じたことがありました(↓)。娘にもどうやら大きな音を苦手とする聴覚過敏がありそうなので、その時の私と同じような感覚なのかなと考えました。
こども発達センターが悪いわけではありません。だけどどうやら、私たちが次に踏み出す一歩はここではなさそう。難しいものだなと思いました。
だったらここは、お教室だ!
どこかもっと全体的に落ち着いていて、論理的に話が展開される場所。
さらに出来れば、その場でのやるべきことや取り組むこと、目指す姿勢に“明確なお手本”を示してくれる場所はないものか。
娘は不安を主軸とする場面緘黙の症状のために、自ら我先にと動くことは苦手です。しかし彼女の認知能力は実年齢以上に高めであって、大人の話は全てしっかり聞いているし、指示も正確に聞くことが可能です。何より彼女は、明確な手本さえそこにあれば、それをしっかり吸収して真似ることは得意であることに私は以前から気づいていました。
どこか、そんな娘が落ち着いて通えて、集団の中で刺激を受けられる場所はないだろうか。
それってさ、いっそ、“お教室”と呼ばれる幼児教室のことなんじゃないだろうか?
私はこの考えを、一度は試してみる価値があるだろうと思いました。
実際に、娘の症状も理解してくださり幼児教室にもお詳しそうな方に話を聞いてみた際にも、その方は私にこのようなお話をしてくださいました。
お教室の場合、環境がしっかりしているし、何をやるべきかって構造化がしっかりしているんですよね。かわいいワンピースが着られるし(ここ大切です💓)、私立小の求める子と言う『求められる目標や役割』が決まっているのでお嬢様は安心してお勉強できると思います。私は、お教室も療育だなぁって思います。
やっぱりそうか!挑戦できたら、娘の世界は広がるかもしれません。
このような経緯で、私は娘を受け入れてくださる幼児教室があるのかどうか、情報を集めてみようと思いました。
同時に娘の気持ちをどう整えていくか、夫をどうやって巻き込むか(←笑)も重要な課題ではありましたが、今ではそれらも全て整い彼女はとても良い環境で学べていると思っています。
そんな我が家の幼児教室への入室までの経緯についても、またいずれ記録したいと思います😊
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