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場面緘黙:立派だった卒園式

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場面緘黙症と育つ娘の成長記録

みなさんこんにちは✨

この週末には、私の娘(6歳)が通う保育園において卒園式がありました。

私の娘は、場面緘黙症という障害を有します。私たちはここ数年、その障害に真正面から向き合って、母と娘で足並みを揃え一歩一歩、また一歩と歩んできたことを想いました。

私たちはたくさんの方に支えられてきましたが、この保育園の先生方にいただいた温かなご対応は本当に励みになったと感じています。

先生方が、娘の困難に関心を持ってくださったこと。

心を寄せてくださって、娘の良いところにたくさん気づいてくださったこと。

クラス運営にもご配慮をたくさんいただいたと思います。

そのお陰様で、娘は安心を感じながら真っ直ぐに努力をすることができる環境に恵まれました。

できることが増えていき、もちろんまだまだ他のお子さんのようにはできないこともありますが、娘のペースで強く、明るく、笑顔も増えて口数も増えていきました。

この秋冬には地域の公立小学校に就学することを見越して受けていた就学相談の一環で、娘の生活状況の確認のために娘が過ごす保育園への視察の機会もありました。その頃には娘は、小学校から見に来られた先生を苦笑い(?)させるほどの快活ぶりを示すほどにもなっていました。

小学校から娘をに見こられた方
小学校から娘をに見こられた方

えっと…どのお子さんが場面緘黙症のお子さんでしたでしょうか?

担任の保育士の先生
担任の保育士の先生

そうお感じになると思います。支援と配慮は大切ですが、環境が整っていればこんなにも明るく振る舞うしっかりしたお子さんです。大人がその環境を作っていくことが大切なのです。

娘の担任の保育士さんがそう小学校の方に伝えてくださったという話を聞いて、私はいっそう娘がこの保育園で過ごした時間の大切さを感じずにはおれませんでした。

 

卒園式が近づき、その練習が始まった頃。

娘がポツリと私に言いました。

娘

卒園式ではさ、みんなが見てる中で一人一人前にでて園長先生から証書をもらうんだよ。お約束もいろいろあるし、ドキドキしちゃうんだよね…。

そうだよね。不安は人一倍強いんだよね。よくわかるよ。

不安の強い娘のことは、私も良くわかります。私もずっとそうだったから。

他人には『そんなこと』と言われるようなことであっても、当人にとってはバンジージャンプの覚悟なのです。頭ではきっと大丈夫だってわかっていても、胸がドキドキ、喉は締まって、頭が混乱してきます。それが場面緘黙症の内面での辛さです。

私は私の経験から得た、自分なりのアドバイスを娘にしっかり伝えました。

私

お母さんも同じだったからよくわかる。

お母さんはね、ドキドキをなくすことはできないから、人よりもたくさんたくさん練習することで乗り越えてきたんだよ。

私

ドキドキに勝つ方法は練習しかないと思ってる。何回でもやるんだよ。もう大丈夫だって自分を信じられるまで。それがあなたなりのやり方の一つになるかもしれないよ。

娘

そっかー、わかった。やってみる。

そうして自宅でも何度も何度も練習をして、そうして臨んだ保育園の卒園式となりました。

 

名前を呼ばれ、娘は『はい!』としっかりと聞こえるような声を出して返事をしました。

母はもう泣いた

そして娘は立ち上がり、ゆっくりと前に歩み出て、不安そうな面持ちを携えてでも園長先生の前にしっかりと立ち、自分から手を出して証書を受け取り、そうしてとても綺麗な、それは美しいお辞儀をしました。

年長さんらしい、とても堂々とした振る舞いでした。

2年前、私たちはどうか少しでもスムーズな就学をと願い児童精神科を受診した、その時の娘が今はこんなに立派に自分の力で歩き出すなんて。私たちは本当にたくさんの方に支えられて今日のこの日を迎えることができたのだと、私は胸に込み上げるものがありました。

卒園式のお歌では、娘も大きく口を開けて、保護者席まで娘の声が聞こえてくるほど大きな声で歌いました。号泣する母を壇上から見つけたようで、娘はニヤニヤ笑っていました、笑。

こころのねっこ【卒園卒業ソング】歌詞付き

ほんの少し前まで、お散歩に行くのも怖い、お歌も難しいって言ってたのにな。

こころのねっこというお歌の歌詞は娘の保育園生活そのものであり、ここでの6年間が確かに娘の心の根っこを伸ばしてくださったのだと想いました。

 

4月からは彼女も小学生です。

娘は、私と夫がこちらの学校であればきっと娘は健やかに学べるだろうと心から願った温かな校風の私立小学校に就学します。

娘は療育の一環として通い始めた幼児教室の支援を受けて小学校受験を経験し、本当にありがたいことに、第一志望として受験したその私立小学校から合格通知をいただくことができました。

未来につながる経験となれ、決して無理をさせまいと、私たちのペースで経験した娘の小学校受験です。その中で、『“話せない娘”がもしも自然と話せるような学校に出会えたら、きっとそこが彼女の居場所なのだろう』とそのような想いで私たちは娘のための環境を求めてきました。

どうか、これからも安心の中で伸びやかに育ってほしいと願っています。

そうしていつか自分らしさを見出して、娘が自分のための人生を歩み出すことを私たちはずっと支えたい。娘が自分の力で素敵な未来を切り拓いていくことを、ずっと見守っていきたいと思っています。

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