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これでもけっこう幸せだ。

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発達凹凸特性と多様性

みなさんこんにちは✨

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最近私が読む本は、すっかり発達障害に関する書籍が大半となりました。少しでも息子を理解し支える助けにならないかと思い、色々な情報を集めています。

それが最近、同じ本を2回注文したりすることなども出てきました💦本が届いてから読むうちに、「あ、これ読んだわ、うちの本棚にあるやんけ」って気づくのは悲しい😭

そこで、読んだ本は何らかの形で記録しないといけないなと思いました。

せっかくなので少しの感想を添えて書いていきます。

今日はこの本(↓)。

これでもけっこう幸せだ。―自閉症の息子とともに

これでもけっこう幸せだ。-自閉症の息子とともに

あっという間に読めました。言葉を発しない(産声もあげなかった)お子さんの、凄まじい育児の様子を綴った本です。どんどん引き込まれて集中して読ませていただきました。

 

著者の山岡瑞歩さんには、重度の知的障害と自閉症がある息子さんがいらっしゃいます。

言葉は一語も発さず、息子さんは産声もあげませんでした。

本書は中学生になるときに施設に入所すること(しかも親権を失うことも)が決まっている息子さんと、限りある親子の生活を精一杯過ごしてこられた育児記です。

1歳半健診で自閉症と診断され、それから筆者は良い病院があると聞いては遠方へも検査や療育に赴かれます。

しかし、自閉症を抱えるお子さんを連れた長距離の移動、慣れない土地での滞在はすべてがパニックを引き起こし得る刺激であふれています。さらに環境の変化で息子さんは食事も薬も取らなくなり、てんかんの発作を繰り返す。このような生活はどれほどのものだっただろうかともはや私には想像もつきません。

一昔前は、自閉症は”親の育て方が悪い”という考えが主流だったとききます。少しでも治れば、という周囲の期待を抱えて母子で遠方へも赴きます。

そして自宅に戻れば親世代に治療の効果を尋ねられ、どんどん良くなって回復していくことしか想像しない義親と配偶者の冷たい待遇を受ける。

息子さんの父親でもある夫は、一語も発しない自閉症の子供に”躾だ”といって、声を出すまで離さないと椅子に縛り付けたりするそうです。

義父もそう。多動な息子さんを正すためにと柱に縛り付け放置したり、殴りつけたりすると書かれていました。

しかし、自閉症はそのようなことで”治る障害ではありません。著者がどれだけ辛かっただろうと察するにはあまりある状況です。

また、著者の息子さんが起こすパニックは”他害型”。人に噛み付いたり髪の毛を束で抜いてしまったりするようです。私の息子はパニックを起こしても”自害型”でした。他害型のパニックを読み、これは大変だとおののきました。

そのためお母さんはいつも傷や痣だらけなんだと淡々と書かれていますが、本当によくやっていらっしゃったことでしょう。

父親は投げ出し歩み寄ることもなく、半ば強制的に施設への入所を決めさせました。

そして筆者は息子さんを連れて家を出ます。

親子で過ごす時間に期限を切られてしまっても、筆者は息子さんに食事を通して得られる社会性を身につけることや食の広がりのチャンスが得られるよう養護学校に向けて給食を開始するよう懸命に働きかけたり、いつか大人になった息子さんが地域社会で白い目でみられることのないようにと地域において交流の機会を作る活動を展開していきます。

ヘレン・ケラーもサリバン先生に出会わなかったら、重度の障害者、即入所だったんじゃないかと思う。

(中略)私は自分のできることを力いっぱいする、それがすべてだ。

これでもけっこう幸せだ。/著 山岡瑞歩 より抜粋

しかし、どれだけそう思っていても、ふとした時に辛くなったことも多かっただろうな。

看護師さんのように深い知識も多くの経験もない。しかし私たち親は、強く、そしてさらに強くなることを強いられながら生きている。強くなっても、強くなっても、もっと、もっとと。

これでもけっこう幸せだ。/著 山岡瑞歩 より抜粋

強くあることを強いられたとしても、誰にでもできることじゃない。

どれだけ息子さんを大切に想い育ててきたのだろう。

読み進めるほど感情が大きく動かされ、あっという間に読んでしまった本でした。

 

2016年7月に相模原市の障害者施設で無差別の殺傷事件がありました。

その発生も、全ては無理解のためなのでしょう。

この事件ではきっと、どれだけ重い障害があっても、親御さんがどれだけ大変な思いをされながらも、大切に大切に育ててこられた人たちが犠牲になったのかもしれないと改めて思いました。

発達障害についての理解を広めるため、もっとこのような本が多数出版されれば良いと思いました。最中にある当事者(親)は、そんな余裕はないのかもしれないけれど。。

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