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ギフテッド研究の被験者として

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成人ギフテッド母の成長記録

みなさんこんにちは✨

この秋のある日、私と息子は二人で東京大学の駒場キャンパスを訪ねていました。

息子が通院しているクリニックの主治医のお計らいで、この度より息子は東京大学大学院総合文化研究科ギフテッド創成寄付講座において、ギフテッドネス研究の“被験者”として参加することになったためです。

東大キャンパスの銀杏並木を歩く息子

こちらでは、いわゆるギフテッドの特徴を有する人を対象とした認知機能や心理面の検査や検証を行うことで知見を集め、困難を抱える彼ら/彼女らのための最適な支援方法や環境を整える方法の構築を目指しているとの説明を受けました。

発達クリニックの主治医
発達クリニックの主治医

こちらに参加してみてください。交通費はでませんが、費用は大学負担です。

そのようなお話をいただいた時、私はこれをとてもありがたいことだと思いました。

私としては、息子のデータが日本のギフテッド研究のNの1つとなり、研究推進及び近い将来に日本のギフテッドネスの支援方法や環境を整える方法の開発において少しでも貢献できるというのならばそれは本当に嬉しいことだと感じました。詳しいことは分かりませんが、もしもこんな息子からでも解釈可能なデータが取れるなら、どうぞなんでも使ってください、お役に立てれば何よりですと思いました(←息子本人はどう思っているのかは知りませんが、少なくとも前向きには出かけました)。

また、私にはもう一つの狙いのようなものもありました。

できればで良いですが、もしもこの機会が今は引きこもりがちな息子にとって視野が広がるきっかけになれば嬉しいです。さらに願えば、どうかこのような機会を通して息子が理解しあえる友人(となり得る人)と出会うきっかけになったらと思います。

研究に参加することで、社会貢献も叶い、視野も広がる(かもしれない)。良いことだらけだと思いました😊

当日は、朝一番の時間帯で東京大学に集合です。

通勤通学ラッシュを乗り越えて、我が家から東大までは割とアクセスも良く行きやすい。集合時間よりも少し早めに東大に着いた私たちは、構内を散策しながら過ごしました。

どうか、しっかりやってきてほしい。あなたから得られるデータが、もしもあなたよりも若年で同様の特性を持ち困難を抱えた子供たちの支援構築に活かされるならば、それはとても大事なことだと母は誇りに思っているよ。

息子
息子

俺のデータがしょぼかったらどうするの?笑

私

それは研究者が判断することで、あなたはそれを心配する立場にはないの。素直な気持ちで全力でやってきたら十分だから🤣

構内の散策を楽しむ息子

振り返ればここ数年、本当に色々なことがありました。

あの、我が家にとっては憎き2020年の一斉休校の号令で、周囲と比してなぜか息子だけが大きく崩れ落ちました。あれに端を発し、私は情報を集め、息子の生育歴を振り返り、彼の背景にはどうやら“普通”の子供とは少し違う“何か”があるに違いないと知りました。

私はそれを発達障害、具体的には自閉スペクトラム症の特性であろうとずっと思い込んできています。今も、私はそう捉えています。なぜなら彼にも、そして私自身にも、私の家系の人間にも、発達障害について知れば知るほど思い当たるエピソードがあまりにも多すぎると感じました。その時、息子はもう10歳になろうかとする頃でした。だけど私は困難を抱えたまま育った息子に、何もしてやれていなかったのです。あまりに遅すぎる気づきであると、私は彼の母親としてのこれまでの在り方を、そして取り戻せない過ぎた時間をただひたすらに悔い続けたこともありました。

そんな私の思いに反し、息子はようやく複数の医師に診ていただいたにも関わらず、息子については発達障害の診断は未だなされないことが現状です(↓)。

ギフテッドの特徴を有する人々は、知性、創造性、芸術、リーダシップ、あるいは特定の学術分野において高い潜在能力を有します。その一方で、学校、職場で不適応など種々の心理社会的機能上の問題を抱えることがあります。(中略)

医療や福祉による支援が提供されることもありますが、残念ながらギフテッドという概念の認知度が低いことも影響し、自閉症スペクトラム障害や注意欠陥多動性障害などの「発達障害」と誤診され、その能力を生かした適切な支援が行われていない現状もあります。

Empowering Gifted Minds Gifted:ギフテッドより抜粋

そういうこと、なのだろうか🤔

私もまた、素人考えで完全に彼を見誤っていた。そういうことなのだろうか。

(↑そろそろ当サイトのご挨拶ページも書き直さなくてはと思っていますが、重い腰が上がらない…そのうち書き直すつもりです🤣)

一方、私自身も息子の理解を深めることを目的として心理検査を受けてみることもしてみました。その結果と医師の診察による私の診断は“神経発達症(←かつての発達障害です)”というものでした(↓)。

これは私自身も大変深く納得できる診断でした。私のこれまでの生きづらさが、ようやく名称を得たのです。ホッと安心できたくらいに沁み入りました。

私の特性は神経発達症とカテゴライズされるもので、一方で息子の特性はギフテッドネスということか?🤔

いやいや、私と息子はめちゃくちゃ似てるわ!別物だとは思えない💦

発達クリニックの主治医
発達クリニックの主治医

息子君は、いわゆる“グレーゾーン”というものではあるのでしょう。だけどそれは誰しも部分的にはそのような特性があるものです。彼自身をよく見ることが大切です。

仰る通りです。

大事なことは、カテゴライズの字面などではありません

私は私、息子は息子。その特性を有する自分と向き合って、正しく理解し工夫して、向上していくことこそが大切なのだと思います。

今回、息子はギフテッドネス研究の被験者としての経験を経て、自分自身と向き合う機会も得られることと思います。

日本のギフテッド児支援のためにも、また、息子自身のためにもどうか実りある経験となりますよう

この日私は心からそう願いながら、お呼びでない母は近くのカフェで待機をしつつ、息子の健闘を祈りました。

息子が検査を受ける間、私は好物のウインナーコーヒーをいただいて、のんびりとした時間を過ごすことができました🙌

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