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感覚過敏の困難への取り組みを知って

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感覚過敏

みなさんこんにちは✨

当サイトでも少し書いたことがありますが、私自身には神経発達症(かつての発達障害)の診断があり、加えて場面緘黙症(克服済み)及び感覚過敏の困難があります。

この感覚過敏に関しては、私はこれまで『軽減するための対策を自ら講じる』ことしか出来ないのだと思っていました。

だけどふと、先日にNHKのニュースを見ていた時に、札幌市内のドラッグストアで店舗や施設の音や照明を感覚過敏の方も過ごしやすいよう調整するという取り組みが行われていることを知ることができ、これがもう、私にとっては目から鱗の衝撃でした(↓)。

絶対嬉しい!そういう選択肢があることがありがたい!

さらに重要なことに、このような取り組みを推進するため、当事者である少年が事業を立ち上げ様々な活動をしていることも知りました(↓)。

これは当事者である私にもまた、衝撃でした。真剣に考えるべき課題であろうと思いました。私はずっと『自分が耐える、軽減する』ことを選んできたけれど、『周囲の環境を調整し、ありのままで伸び伸びと生きる』ことも考えなくてはいけなかった。そうハッと気付かされた、視点の転換が起こったような思いでした。

なぜなら、その大変さを感じているのは私だけではないからです。

誰かが動けば、それは同じような誰かの助けになります。耐えたり軽減しようとするだけが手段ではない。そしてそれは感覚過敏だけでなく、その他の特性にも当てはまることだろうと思いました。

世の中には、いろいろな人がいて当然なのです。その全ての人が“あきらめなくて済む環境”を実現しようとする人が存在することがなんと心強いことだろう。今日はそんな私の希望を記録したいと思います。

感覚過敏の困難を知ってほしい、正しい理解を広げたい

私たちの感覚過敏

私には感覚過敏、具体的には、私には複数の音源から不規則に届く音を極めて不快と感じる“聴覚過敏”、および白い蛍光灯の灯りが辛いという“視覚過敏”があるだろうと思っています。

感覚過敏は症状であり、診断を受けるものではありませんが、当事者にとっては常に付き合わなくてはならないものであり、治療法もありません。これもまた、なかなか難儀なものなのです。

私の場合、聴覚過敏に関しては、複数音源、例えばテレビがついているのに別の部屋で誰かが音楽を聞いたりとか、自分が音楽を聞いているのにそれとは違うリズムの電話の呼び出し音が鳴るとかの状況が耐えることができません。

そんな時はとにかく体の中からゾワゾワ〜っとした嫌な気持ちが湧いてしまい、逃げ出せず長時間晒されると気持ちの悪さと視界がグラグラする目眩のような症状をきたします。既に大人であるし経験も蓄積しているので今の私はそのゾワゾワは極力表には出しませんが、心の中では『うわーーー!』となって大混乱、余裕なし。家の中などなら私はどちらか手近な方を断りもなく大急ぎで消そうとするので、一緒に居る人をえらく驚かしてしまうことも起こります。今では家族には私が『そういう状況が苦手である』ことは理解が得られつつありますが、大きな駅やお店の中だとそういう制御も効きませんのでなかなか難儀な感覚です。

ちなみに、私の娘にもまたある種の大きな音を苦手とする聴覚過敏がありそうです。外出時にはイヤーマフを持ち歩いています。

さらに息子には別の感覚過敏(キノコを口に入れると吐き気がする)もありそうです。

感覚過敏の難しさは、その感覚が他人のそれと直接比べられないことにあるでしょう。

だから私もそうであったように、その症状に気づくことが遅れがちで、みんな同じ状況なのに自分の我慢が足りないだけだと思い込むことさえあるかもしれない。

だけど心がゾワゾワして落ち着かないとか、頭が痛くなってしまうとか、帰宅したらぐったり疲れてしまうとか、そういう“感覚”が“身体”にまで不調を起こすレベルはやっぱり異常なのだと思います。

感覚過敏は、慣れや我慢の問題ではありません

周囲の理解と、そして自ら講じる対策がとても重要だと私はずっと考えてきました。

私

対策はいろいろあるらしいから、合うものを探してごらんよ。自分なりに工夫をして、少しでも過ごしやすくしていけるはず。

私たちは、自分用にも娘用にも、聴覚を保護するためのイヤーマフを使っています(↓)。これは大変効果的で助かります。

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私たちは外出時にはいつもこれらを『一応』持っていくようにもしておりまして、万が一のお守りのようなものだと思っています。

さらにこのイヤーマフは有用なことに、私がたとえば当サイトの記事を書く時に余計な音を遮断して過集中状態を呼び起こすための道具としても、そして聴覚過敏とは無縁そうな息子でさえも時々読書や勉強をする時に使っていたりもするようです。息子も私と同じく集中のための用途に使っていると思われて、いろいろな使い方ができて便利です。

集中はさておき、このようなツールが存在することは感覚過敏の理解への確かな進歩の証だろうと思ってきました。

自身の困難を軽減するだけでない、環境調整という考え方

しかし今回、私は“クワイエットアワー”という、自助だけではない、周囲の理解によるより前向きな環境調整の考え方に触れられて、とても感銘を受けました。

例えば地域のドラッグストアで、当事者にとっては騒々しく流れているBGMが控えられる時間がわずかでも設定されること(↓)。それをお店の取り組みとして、当事者以外の人に向けても理解を促すアナウンスをしていること。

これだけで、当事者にとっては『当たり前に買い物ができる』ことが実現します。

すごいことだと、本当に心から驚きました。

私も日々感じますが、お店のBGMって結構それぞれなんですよね。たまにすごく耳障りな(←私の感覚です!)お店もあって『うわっ』と思ったり『クラッ』としてしまうこともあるのですが、それでも私はそれが当たり前だと思い込んでいたので自分が耐えることを選んでいました。

また、これは最近の出来事なのでよく覚えているのですが、私が特に『辛いな』と感じたのはテーマパークの東京ディズニーランドだったりします。(昔行ったUSJではそれほど感じなかったような気もするけれど、どうだったかな…)

ディズニーランドは、その構造上仕方ないのだろうと思いましたが、どこのベンチに座ろうと思っても二つ以上のスピーカーから別々の音が聞こえてる場所が多くあり(特に入場口に近い場所はそうでした)、しかもそれぞれがかなりの音量で流れてくることが辛いと感じるタイミングが多かったことが思い出されます。お天気も良くて娘もとても喜んでいたし、楽しく過ごせたとは思っています😊だけど場所によっては気が休まらず、『嫌だな…』という気持ちが私によく付きまといました。

本当に楽しい1日だったけど、感覚的に気になった部分もありました。

私の場合は、今度ディズニーランドに行く時にはイヤーマフを持っていかなくてはならないなと思った程度の話ですが、それも実際にはイヤーマフをしていると子供とのコミュニケーションに支障が出ることは心配なので現実的ではないのかもしれません。また、より深刻な感覚過敏を抱える方もいるでしょう。

こちらの記事では、この“クワイエットアワー”は水族館などのレジャー施設でも取り組まれていることが紹介されてありました。その実施により保護者の方から寄せられた感想は、その取り組みへの感謝と、子供がレジャーを楽しむことへの障壁が明らかに下がったことが感じられるものでした。

「『ほかのお客さんの迷惑になりそうで、いままで水族館には行けなかった、来れてよかった』そうおっしゃたんです」

「他の方に迷惑を掛けるかもという思いから、お出かけの際は常に周りの目を気にしたり謝ったりしています」

「このような取組みがもっとあれば、こどもの良いところ、素敵な感性を伸ばすこともしてあげられると感じました」

知らなかったわ、クワイエットアワーより抜粋

私はこれまで、お子さんによってはレジャーを楽しみ視野を広げるという、他のお子さんには当たり前のような機会さえ憚られていたことを、あまり想像しませんでした。日時限定で決めてもらえるのも良いですね。その機会が提供されれば彼らの世界は広がります。その選択肢が存在することが大事です。

この取り組みは本当に素晴らしいと思ったし、社会が感覚過敏というものの当事者の困難に理解を示し対応しようとするきっかけを提供しようとしていることに私は強い感銘を受けました。

せめても活動の応援を

私自身は、ずっと耐えてきてしまいました。

もしももっと私に行動力があったなら、私にも社会の当たり前にちょっとだけでも変化を起こせたかもしれません。だけど私にはそれをすることはできませんでした。無力感は感じていません、ただただ、これに取り組む加藤氏の活動へ尊敬の気持ちが湧いてきました。本当に素晴らしい行動力だと思いました。

せめても、こちらの活動に、何か応援できないか。

公式サイトを見ると、応援団の募集というページもありました。

なるほど。

活動に参加したり、意見交換も可能らしい。クラウドファンディングの形でしょうか。

また、『静かな応援団』というそっと見守るサポートの形もあるようでした(↓)。1回500円から、年間12,000円ほどのサポートで応援できます。

早速申し込みだ!感謝の気持ちと敬意を伝えたい。

せめても私にもすぐに出来ることをということで、まずは静かな応援団のコースで早速購入手続きをさせてもらいました🙌応援団缶バッジとエコバッグをお届けくださるそうなので、いずれ手元に届いたら何かしら見えるところに使いたいと思っています😊

当サイトはありがたいことにいつもたくさんの方のお目に触れているようですが、その中でも、感覚過敏の当事者はおそらくはそれほど多くはないだろうと思っています。

だけどこの記事を読まれた方には、どうかこの機会に感覚過敏とはなんなのか、そういうものに日常的に困難を感じる人がいて、さらに今、感覚過敏の困難をなんとかしたいと真剣に考えている活動者がいることを知ってもらえると嬉しいなと思います👍

社会の当たり前が、変わる兆しを感じます。

頑張って欲しいと心から応援したいです。

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