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僕のこころを病名で呼ばないで

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発達凹凸特性と多様性

みなさんこんにちは✨

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最近私が読む本は、すっかり発達障害に関する書籍が大半となりました。少しでも息子を理解し支える助けにならないかと思い、色々な情報を集めています。

それが最近、同じ本を2回注文したりすることなども出てきました💦本が届いてから読むうちに、「あ、これ読んだわ、うちの本棚にあるやんけ」って気づくのは悲しい😭

そこで、読んだ本は何らかの形で記録しないといけないなと思いました。

せっかくなので少しの感想を添えて書いていきます。

今日はこの本(↓)。

僕のこころを病名で呼ばないで―思春期外来から見えるもの (ちくま文庫)

僕のこころを病名で呼ばないで-思春期外来から見えるもの/ 著 青木省三

このタイトルはどういう意味だろう

この本は、近くの図書館で借りて読みました。

このタイトルに込められた意味はなんだろう?と興味を惹かれて本を手に取り、裏表紙にある内容紹介を読んで大きな興味を持ちました。

子どもや青年のこころの病気や障害への注目や関心は、彼らの症状や病名を見つける方に目を向けさせ、肝心の彼らのさまざまな思いや悩み、考えなど、こころの内面を見失わせてしまう。そして、彼らを孤立に追い込み、孤独に追いやってしまう。子どものあり方を、多様な個性や特徴として受けとめ、誇りをもって生きていくことを応援できないか、治療の現場で考える。

僕のこころを病名で呼ばないで 解説 山登敬之

下の娘が急に『紙芝居を読んでみたい』というので、久しぶりに立ち寄った図書館でした。

私の貸し出しカードは有効期限が切れていたけど、その期間延長の手続きをして、本の予約システムの説明の受け直しなどを経て紙芝居と一緒に貸し出され、ゆっくりと時間をかけて読みました。

著者の青木先生は思春期青年期を専門とされる精神科医です。

本書では発達障害のみならず、抑うつ、不登校などの思春期にある子どもの様々な症例を挙げながら著者の考えをエッセイとして述べられています。

こんなに温かく向き合ってくださる医師がいるのだろうかと思うほどに、子どもの現状や環境に向き合い観察し、そして、その中で将来に伸びて行く芽のようなものを見出していく心理療法をとっておられる。

とても励まされる内容で、部分的に何度も読み返しながら読み進めました。

診断名は諸刃の剣

本書において著者は、問題に対して”診断名”を付けることは諸刃の剣であることを何度も説いておられます。

 

私の大切な息子は2020年の一斉休校に際して顕著に不安定となり、行動特性と心理検査の結果から彼には”自閉スペクトラム症”の特性があることがわかりました。

しかし、医師による診断は未だつけてもらっていません。

私たちは診断名を得ることよりも、息子を理解し、彼の特性一つ一つに向き合って行くことの方が大切だと考えたため、敢えて息子に診断名を付けてもらう必要はないと考えてきたためです。

 

本書を読み、私の考えは間違っていないだろう、という確信のようなものが感じられました。

診断名がつくことが、本人や家族にとってプラスに働くことはもちろんあります。

診断名が付くことによって初めて、本人が長年苦労してきた問題などは実は病気や障害によるものであることを知り、自身を責める感情から解放されたり対応策を得るきっかけになることがある。

自分が当たり前だと思っていたことが他人にとっては当たり前ではなく、どこか自分と他の人と違うということに気づく機会になる。病名を知ることが、自分を知ることにつながる。

僕のこころを病名で呼ばないで/ 第4章 この子は病気?より抜粋

我が家も昨春、息子の異変に直面して親もひどく混乱しました。しかし”息子の背景には発達障害の特性がある”ことがわかったことで、対処の在り方を知り、息子を理解して改めて接し方を考えて行くきっかけになったことを痛感しています。

一方本書では、診断名を付けることのリスクに関してもとてもよく説明されています。

「ほらあの子はアスペルガーだから」

こんな安易な言葉、言いがちだと思いませんか?私たちは注意深くあらねばなりません。

診断名は変な眼鏡のようなもので、診断名を付けることがその子の個性を見えづらくさせていくことに警鐘を鳴らしています。

しかし、その時こそ注意をしなければならない。その子どもの個性とでもいうものが、症状の影で見えなくなってしまう。

その子どもそのものを見ようとする姿勢を忘れてはいけないのである。そうする時、初めてその子どもの個性が見え、その子供に合った具体的な援助が見えてくるのではないだろうか。

僕のこころを病名で呼ばないで/ 第4章 この子は病気?より抜粋

病名を知ることが、子どもそのものや子どものこころから目をそらすことになるとすれば、われわれは病名を捨てなければならない。

病名は、人の捉え難い苦痛を少しでも和らげ、少しでも生きやすくするためにあったはずである。そのためには、病名で子どもをとらえるという視点は捨てなければならないと思う。

僕のこころを病名で呼ばないで/ 第9章 病名で呼ばないで より抜粋

さらに本書では、診断名がつくことが免罪符になってしまう事例、その子どもの教育に関わる人の責任回避に使われてしまうことへの恐れが記されており、読むほどに恐ろしく背筋が伸びる思いを感じました。

支えること

また、本書は思春期にある本人を支えること、支援する側に立った時に大切となることについても大きく頁が割かれています。

精神科医のミルトン・エリクソンの言葉として紹介された「人は現在に生き、未来へ向かう」という言葉が印象的でした。

思春期にある本人は不安定になりがちです。

しかし、全て人というのは障害のあるなしに関わらず自分の力で人生を切り拓いていかなければならないし、その潜在的な力がその人の内にあるのだと確信を持たせてやるように支えることの大切さ、難しさ、寄り添い方や励まし方について、筆者のお考えはとても勉強になりました。

青年を支えるために、まず目の前にいる現在の青年を細やかに観察すること。

診断名でなく、ありのままの本人を見ること。

その具体的な事柄が、事例を挙げて紹介されています。

そうして浮かび上がってくる将来の子供の姿を心に持ち、より良い未来のために『今、何ができるのか、何が求められているのか』を考え抜くことが大切であると再確認することができました。

 

『それは障害というのでしょうか、それとも財産というのでしょうか』

そう。息子は息子の特性の上に種を撒き、未来を切り開くための独自の土壌を耕していくのです。

私はそれを支え、ある程度の距離感をもって見守って行く。

読み終わり、自分が為すべきことがスッキリと見えたような気がした素晴らしい読書時間となりました。

関連書籍

青木省三先生の著作については他にもいくつか読んでみたいと思います。取り急ぎ下記を注文しました。楽しみです。

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