みなさんこんにちは。
今日も当サイトへお越しくださり、ありがとうございます。
もうすぐ、この大阪の万博も終幕を迎えますね。皆様も、万博の観覧には行かれましたでしょうか?
私はこの10月初旬に日帰りで、ちょっとだけ観に行かせてもらいました。
この日には、万博会場内おいて、女性科学者支援のためのイベントが開催されるということで、私は今は職業としての科学者ではありませんが、たまたまそのイベントに招待をいただいたので、お手配いただいた招待チケットでの万博を観覧させていただきました。

私が訪れたのは10月初旬の平日でしたが、すごい人出でとても混雑しておりました。入場券のお手配はいただいていたもののゲート前から入場までにさえ30分以上かかってしまうし、パビリオンの予約なんかは取れやしねえ!本当に、すごい人!🤣
大屋根リングは圧巻だったし、それだけでも来た甲斐があるというものです。当日列にしっかり並んで外国のパビリオンを一つ見学し、輪島塗りの大きな“夜の地球”も本当に素晴らしいものを見ることができて感動でした。
一方で、参加させていただいた女性研究者支援のためのイベントの方では、実はあまり議論が進んでいないことをありありと感じさせられてしまうばかりで、私は密かに複雑な思いを抱えました。
『女性科学者が増えない、意思決定ポジションにある女性科学者の割合などちっとも増えない』
『そもそも日本で博士号を取得しようとする女性が増えない』
私が研究職に就いた頃(2000年代前半ですね)には女性科学者の割合は12%程度とも言われていました。あれから20年弱がたち、今なおその割合は微増に過ぎないことを知りました。それは諸外国と比較すると顕著に低く、そこには“日本特有の何か”がきっとあろうということがいまだ往時と同じ内容で議論されていたのです。
『その一因は、今の親世代の暗黙の制止にあるのではないか?』という意見は今なお言われますが、実際のところどうでしょうね?そんなことある?女の子の高学歴化を止めたい親は今も現存しているのだろうか?


別に、娘が博士号を取ったり研究者になろうとするならば、それはもう好きにしなさいとしか思わないけど…。
というか、20年近くたった今なお、同じ議論が繰り返されている現状には、もっともっと根本的な何かがきっと欠けているのであろうなぁと思わずにはおれません。
親世代が暗黙にも娘の博士号取得を止めている現状を仮定して、だったらその暗黙の制止の背景にこそ目をむけなくてはなりません。
一つ実感として思うのは、男女問わず、研究者の地位向上は必須でしょう。あの職業は、やりがいのための搾取とでもいうのでしょうか、『好きな研究を続けられるなら薄給でも仕方ない』とかそんな謎の価値観がいまだ漂うことは課題です。
もっと大事にしてやらんと、増えんわな。
そんな専門業界は、きっと他にもたくさんあるのでしょうが(デザインや建築などもそうだと聞くけど本当ですか?)。
人は、自分の足元が安定しないと、出せる成果も出せません。お金の問題だけじゃなく、誇りを持って取り組んでもらうためにです。
イベントの会場内は、女の子の高学歴化が婚期を遅らせてしまうことにも触れられました。婚期は、研究者に限らず全般に遅くなっているという話だけどね。
それについては大学院生といえど成人ですので、学生のうちに結婚して子供を持つロールモデルがより身近に感じられると良いのではないかとも言われました。それもまた正しいだろうが、大学院生時代はとにかくお金がありませんので(学費はかかるし、収入がないからね)、動機と実現性には何らかの支援がまた必要だろうと思われます。

お金がなくて半人前、仕事もやっていけるか決まらない状況で、よし今のうちに産もう!と思うかどうか…
それでも。
女性研究者支援策が動き出して、20年近くが経ちました。
個々に自由に、自分の人生は自分でこそ舵を切る!と闊達に多様に活躍なさる女性は微増ながらも増えています。私もその一人であると自負します。
一度しかない人生だもの、小さくまとまるのも構わないですが、もちろん研究に限らず多々にもっともっと好きなように楽しんでいければ良いというの話です。そんな人は女性はたくさんおられます。
しかしながら、だんだん貧しくなりつつある日本+はみ出し禁止の学校現場に適応して育ってしまった今の子供らには、これから皆がそんな選択をできるわけではないことも想像されてしまうので複雑です。
今年のノーベル賞では、生理学賞と化学賞、いずれも日本の大先生が授業をなされとても嬉しいニュースでした。いずれの先生も70代の半ばです。
これを受けて、研究者時代の仲間でワイワイと話していた際、ぼそっとこんな話も出ました。

今の70代の世代はすごいよ、力のある人がエネルギッシュに生きた時代だ。だけどその下の世代、我々の世代、その先では、いったいどうなってしまうだろうね。
もっと子供達にエネルギーを湧き出させる、そんな根本的な何かが必要なのだと思ってしまうばかりです。
ーーーイベント案内ーーー
大阪万博のイベントで、こちらの主催の方と知り合うことができました。地方都市で先進的な教育議論が行われることは素敵だなと思いました。行きたいなー。
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