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質的マイノリティとしての”ギフテッド”

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成人ギフテッド母の成長記録

みなさんこんにちは。
今日も当サイトへお越しくださり、ありがとうございます。今日も徒然書き流しておりますので、よかったらお目通しくださいませ。

そういえばなんですが。

先月(2024年12月)に高知大学・朝倉キャンパス(高知県高知市)で開催された日本ギフテッド・2E学会キックオフ大会の様子について、ライターの楢戸ひかるさんが書かれた記事が公開されておりました(↓)。楢戸さんはあの黄色い本を書かれた方でもあり、ギフテッドを本当によくご存知なのでこの記事には語弊も誤解も含まれません。こちらでも共有したいと思います。

<後編>(↑)の方では、私の講演も写真と一緒に載せていただいておりますので、よろしければぜひ、後編の方もご笑覧いただけたらと思います✨

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さておいて。ギフテッドって、本当に、何なのだろう?と思います。最近読んだ書籍にも影響されて、そんなことを少し考えてしまいました。

高IQ→だから何?、って感じですよね、本当は。

前回の記事で、私は、ギフテッドは凹凸の大きい人なんだという表現を用いました(↓)。もちろんそれはそうなのですが、もっと他にも色々な印象的な表現がたくさんできると思います。考えただけで面白そう。

今の社会の時流において、
ギフテッド児は、その成長過程でマイノリティとしての経験や困難を経験するから要支援児という意味合いで“ギフテッド児”と呼ばれます(今の社会の中では、ですよ)。

反対に言えば、どれだけIQが高かろうとも、困難に直面しなければその子はギフテッド児ではないことになります。本人の気質ももちろんですが、柔軟な本人の性格やおおらかな教育環境、そういうものに恵まれて健やかに育っていたならばその子は要支援となりませんので、ギフテッドという言葉にも触れず大人になっていくでしょう。

目を転じれば、いわゆる“優等生”という子供も存在します。一例ですが、私の夫は子供時代に優等生と呼ばれた子だったと思われます。優等生とは、私が言い表すならばそれは、大人の期待通りの努力ができ、かつ、それなりの成果も出せる子という感じでしょうか。夫はそんな子だったようなのです(通知表には5しかなかったと言っていたw)。

優等生はギフテッド児とは違うのか?

私見ですが、私が夫と息子を見比べてみて感じることは、彼らの知能は質的にいくらかの違いがありそうだよねということです。

夫を見て感じるのは、知能は量的には優れていそうであり、予想不能なことは起こらない。それが優等生ってやつかもしれない。

一方で、私が息子を見て痛感するのは、知能は確かに優れていそうではありそうだが、質的に明後日の方を向いていて、予測不能なことしか起こらない、笑。つまりベクトルの大きさ(器で言う容量)は優等生にも負けず劣らず大きいのかもしれないが、ベクトルの向きが明後日で、社会が求める向きに沿っていないって感じです。しかも謎に奥行きが深かったりする。

向きが違うだけなのです。

量的な知能はともに高い。

だからギフテッドと呼ばれる彼ら彼女らの言うことには、「想像もつかなかったけどそう言われてみれば理解できる一理」が必ずあるし、彼らの行動原理は一見すぐには分かりづらいけれども、彼らなりの明確な理由と根拠はいつも説明可能な状態で存在しているのです。

似た話かもしれませんが、こんな事例もよく聞きます。

『小さい頃までは本当に優等生で問題なく学校にも適応していたのに、急に不登校になったから驚かされた→高IQが判明』。これは女の子に特に多く聞きますが、男の子でも類似の事例はたくさんあります。これも当人の知能の“ベクトルの向き”が、成長につれて本来向くべき方角へただ向き直したためであると、そう思えば理解できそうです。

大きな矢印、その向きがちょっと違うだけ。めんどくさくて倒れやすい、それを支える親も大変なんや。

現状では、

『高IQで要支援の子供=ギフテッド』

と呼ばれています。質的なマイノリティの一つですが、そういう子が存在するのは事実なので支援はぜひしてもらいたい。今は過渡期ですから、どういう形であれ“要支援”が浸透することは私としては歓迎です。もっと知ってほしいです。

親としては、苦労はあるが、この子達はもう親がどうこうコントロールしようと願っても操れる子でもありませんので、食べさせ寝させ、情報を求めて目いっぱいに手を伸ばしながら、見守るしかないのです。私も息子の行先を、能動的に関与しながらただ見守りたいと思ってはいます。

 

話は少し変わりますが、最近読んだこちらの書籍は本当に印象的でした(↓)。私は趣味で登山をするので、前々から買って家にあった書籍です。

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植村氏は大変著名な登山家です。実績がすごい。そしてこの方は質的に、ちょっと想像を超える段違いの青春時代を過ごされます。そのことを今、子の親となった私が読みましたらもう、それはそれは複雑な想いが湧きっぱなしとなりました。

え、ちょっと待って、お金も持たず、語学力も持たず、それでどうして片道切符で海外に行こうと思えるの!?やめなさい!

まずはそこから、腰を抜かすかと思いました😅

親は何をやってんだよとか、誰か止めてやれよとか、本当に思った😅だってこのご時世に海外に出て生活しようと思うだけでもある程度の人脈や、自由に使えるお金であったり、目を惹く特技や技能だったり、そういうものを子供の頃から手塩にかけられようやくようやく海外留学を果たす子だってザラにいるのに!なんなの一体!大丈夫なの!?

しかしこの方は渡った先で、おそらく持ち前の行動力と人間性で仕事を見つけてしまうのです。そんなことが果たして自分にはできるだろうか?とゾッとさせられてしまいました。それだけでなく、植村氏は周囲の人間の信頼を得ていきながらも、早々に、不法労働で捕まったりするのです😨

そしてまた土地を移りまた新しい言語の習得を要する場面でも、言葉よりも先に、たまたま船で乗り合わせた方と友達になっていてしまっていたりします。なんで?なぜ、言葉も特技も実績もないのにそんなに仲良くなれる人に出会えるの?

自分がどうであったかを思うと混乱してきます。私はこの方がどのような方であったのかは存じませんが、きっとすごく素朴で飾らない、裏表がなくて笑顔が素敵でまっすぐな、人に好かれる人だったのだろうと思います。

自分がどうであったかもそうなのですが、今の私は親として、このような子を口を出さずに見守れるか?子供が生きようとする人生を応援するとはどういうことか、それを考えさせられたと思います。

仮に私が親であれば、私は息子をどこか早期に止めると思う。不法就労で捕まったと聞いたものなら、足りないことは承知の上でも全財産の処分をも見積り息子を迎えに飛んでいきたくなると思うし、息子を回収できたあかつきには、二度と家から出ずにこの地域で就職しろとか言ってしまうかもしれません、笑。

この書籍には、そんな親の話は全く書かれていません。親御さんは存在のみがチラチラと登場するのみです。だけどこの方を産み育てたご両親、お母様は必ず存在したのであり、私は勝手に母親目線でドギマギしたりヒヤヒヤしたり泣いたりしながら、この書籍を読みました。

そう。側から見れば、自分のやりたいようにだけやって、なんて子だ!って感じなんです。

そして質的に“少し違う子”を育てるというのは、こういう親の境地もあると知っておいて良いだろうと私は強く思い始めました。この方は、ある時海外の山に行ったきり、今もお戻りではないそうです。それも含めて、私もまた子供の人生は子供のものであることを、真に理解し引き受けなくてはならない日がいつか来ると想いました。

今はまだダンゴムシの息子だけれど、彼もこれから大人になり、自分の道を見つけていく日が来るでしょう。私は息子が息子の人生を歩くことを、何があっても応援を心からしていかなくてはならないことを、改めて、真に、深く、考えながら読んだ書籍でした。

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